1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460153
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
川本 眺万 名古屋大学, 工学部, 教授 (80023018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京谷 孝史 名古屋大学, 工学部, 助手 (00186347)
市川 康明 名古屋大学, 工学部, 助教授 (30126833)
赤木 知之 豊田工業高等専門学校, 教授 (90006685)
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Keywords | 不連続性岩盤 / 混合体理論 / 連成問題 / 浸透 / 透水三軸圧縮試験 / 損傷力学 |
Research Abstract |
岩盤中には結晶粒間欠陥, 層理, 節理, 断層等の各種の不連続面が存在している. 石油貯蔵地下タンク, 地下発電所, 原子力発電所後背斜面, 長大吊橋の基礎等の大規模岩盤構造物を設計・施工する場合, これら不連続面を内包する岩盤の変形挙動と共に不連続面を介して流れる水の連成挙動が問題となる. この連成挙動を取り扱うに際して, 母岩の変形性と水の圧縮性がほぼ同一のオーグーとなり, この現象を既往の圧密理論で取り扱うことは不可能となる. 本研究では微小な欠陥を含む母岩とその内を流れる水の連成挙動を混合理論の立場から再構成し, さらに節理等の規則的な不連続面群を有する岩盤の挙動を損傷力学の立場から記述することを試みるものである. 本年度はまず, 混合体理論に基づいて運動保存側, 質量保存側から変形・浸透連成場の支配方程式を確立し, 有限要素法によるその数値解析法プログラムを作成した. つぎに, 岩石の透水三軸圧縮試験機を設計製作し, 多孔質凝灰岩(大谷石)を用いて透水圧縮試験を実施した. この試験装置では, 水の圧縮性を考慮して, 岩石の側方変形をリング型グージによって測定し, 水の流量測定と分離している. この装置を用いた実験の結果, 大谷石に対しては明らかな変形, 浸透連成挙動が観察された. さらに, 上記で開発した有限要素法プログラムを用いて大谷石の透水三軸圧縮試験に対する数値シミュレーションを実施して, 提案した変形・透水連成場理論の妥当性を検証すると共に, 導入されたパラメータに対する影響度を調べた. これらの数値解析の結果によると岩石の固体粒子の圧縮性がこの連成挙動に影響を与えることが判った. 次年度はさらに精密な実験を続けると共に, 損傷場を導入した理論を開発し, 地下発電所掘削現場において不連続面の測定, 湧水量の観測を行って数値計算と比較検討する予定である.
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Research Products
(1 results)