1988 Fiscal Year Annual Research Report
河口部水理量の時空間変動と界面物理過程に関する研究
Project/Area Number |
62460158
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 静男 北海道大学, 工学部, 助教授 (30001324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 守正 北海道大学, 工学部, 助手 (90001320)
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Keywords | 河口密度流 / 界面波 / LDA / 大規模渦 / 潮汐 / 河川乱流 / 流速分布 / 二層密度流 |
Research Abstract |
本年度は昨年度の予備観測の結果をふまえ、天塩川において、河口部水理量の観測を実施した。観測は流速の2点相関を得るためのデータとバックグラウンドデータの採取から成り、測定項目は(1)各水深における2点相関(LDA)(2)各潮時の鉛直流速分布(LDA)(3)レイノルズ応力(LDA)(4)界面水位の連続時間変動(5)塩水くさび各地点での流速及び塩分分布(6)界面形状(超音波測深機)(7)2地点における下層流速の連続測定(8)表面水位(9)風光風速の連続時間変動等である。今回最も重要な流速の2点相関の測定は、LDAプローブのスライド装置の設定が順調に進み、成功裡に終えることができた。又、レイノルズ応力についてもLDAで初めて測定に成功した。観測は天塩川の他に、レイノルズ応力と乱れ強度に関し、十勝川と新井田川河口でも実施した。特に、新井田川では最近開発された2次元乱流計測用LDAプローブを使用し、完全に被測点が1点の測定に成功した。 本研究は3年目の次年度に解析結果が揃うことから、現段階ではどの様な結果を得たかの報告をすることは不可能である。従って、学会発表もできなかったが、当初計画したほとんどの項目が達成されているだけでなく、新たに2次元計測用プロープの導入も行っており、研究は順調に進められている。上述の様に、未だ、まとまりのある結論を得る状態には無いが、本年度わずかに進められている解析結果から明白な事実を若干述べておく、それは弱混合形式の河口流(天塩川)での成層構造の変化に比べ緩混合形式の河口流(十勝川)での成層構造は非定常性が著しく、河口部水理量や界面物理過程を評価・解明する上で、本研究のテーマである水理量の時空間変動の詳細な把握が不可欠な事である。この様に本研究遂行の意義はさらに明白になってきたといえる。
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Research Products
(1 results)