1989 Fiscal Year Annual Research Report
河口部水理量の時空間変動と界面物理過程に関する研究
Project/Area Number |
62460158
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉田 静夫 北海道大学, 工学部, 助教授 (30001324)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 守正 北海道大学, 工学部, 助手 (90001320)
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Keywords | 河口流 / LDA / 密度成層流 / 潮汐 / 塩水楔 / 河川乱流計測 / 界面波 / 弱非線形安定性解析 |
Research Abstract |
最終年度は62年、63年度の巨視的な観測結果を補充する目的で、微視的な観測すなわち、レイノルズ応力等の乱流計測に重点を置いた。観測は天塩川で8月上旬行なわれた。この時期は最も理想的な二層流の観測が予想されたが、不幸にして台風が接近し、風による測定系のゆれが著しい、又、海面水位の上昇によると思われる上層の逆流現象のため、水面から底部まで完全な海水という観測史上まれな流況下での観測となった。従って、その結果をもって河口二層流の微視的な構造とすることは出来ず、改めて観測し直す必要を生じた。実際には、天塩川での観測の後十勝川に移動して、やはり同様の観測を行ったが、ここでは大雨に出合い、結局、河川水のみの一流体の流氷における乱流を測定するにとどまった。その結果からは増水時の河口流の乱流状況が判明するわけであるから、それなりに重要なのであるが、やはり、理想的な河口二層流の乱流計測を終えてから結果を報告するのが最良と考え、微視的な水理量に関しては次年度以降に再観測し、改めて報告したい。 上記のように微視的水理量の観測には失敗したが、界面現象に関する理論解析においては大きな成果を挙げることができた。従来、密度界面には剪断流不安定によって界面波の生じる可能性のあることが筆者の一人によって報告されてきてが、何分、線形解析の結果でもあり、界面波の発生機構について決定的な解決がはかられたわけではなかった。しかし、今年度、弱非線形段階まで考察を広げ安定性解析を実施したところ、界面直上と直下の渦と界面波との関係が実験結果と良く一致し、確かに剪断流不安定によって界面波が発生し成長するものであることの確認が出来た。その他、巨視的な河口部水理量を支配するパラメ-タの検討を進め、一対の無次元量で水理量の巨視的な時空間変動の状況を把握できることも示した。
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Research Products
(2 results)