1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460162
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越 正毅 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70013109)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
赤羽 弘和 千葉工業大学, 土木工学科, 助教授 (60184090)
桑原 雅夫 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (50183322)
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Keywords | ボトルネック / 交通渋滞 / 追従理論 / サグ / トンネル渋滞 / カルマンスム-ザ |
Research Abstract |
1.中央高速道路および名神高速道路において、一般ドライバ-による追従デ-タを収集、蓄積した。 2.渋滞流におけるS-V関係については、それまで指摘されてきた下に凸な曲線関係ではなく、上に凸な関係にあることを見いだした。 3.追従モデル中の希望車間距離を表す関数の係数をパラメ-タとみなし、他のパラメ-タと同様に推定する方法を提案した。すなわち、前方車の原デ-タに対するモデル式を用いたシミュレ-ションで得られる追従車の挙動を、三つの状態量(加速度、速度、車間距離)で表現し、これらとその状態量の生デ-タとの間の三種類のRMSE値を、重みを付けて全て同時に最小化するようなアルゴリズムを、カルマンフィルタ-の理論を用いて開発した。この方法により推定したパラメ-タを自由流、渋滞流それぞれの走行デ-タ一組について推定し、その結果から、追従モデル式中の反応遅れの大小関係を検証した。 4.追従挙動における認知から判断、挙動までの構造を再検討し、これをもとにファジイ推論を用いたモデルを構築し、追従実験によって得られたデ-タからモデルパラメ-タの同定を行った。その結果、ファイジイモデルは数式モデルと比較して同等か、それ以上の説明力を持っていることが示された。 5.全ての運転車が全く同じモデルパラメ-タで追従挙動するとの仮定のもとで、フアイジイモデルによる交通流シミュレ-ションを行い、個々の車両の追従挙動の再現性を検討すると共に、交通流現象の特性をどれだけ表現できるか分析した。その結果、数式モデルでは不安定な挙動が見られ、しばしば追突が発生するが、ファイジイモデルではある定常状態へ向かって収束し、安定な交通流現象を再現することが可能であることが示された。
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[Publications] Hirokazu AKAHANE: "A measurement and data processing system for car-following behavior analysis." Proceedings of IFAC 6th International Symposium or Transportation Systems. 11-17 (1989)
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[Publications] 大口敬: "名神彦根トンネルにおける車両の走行挙動" 土木学会第44回年次講演会講演概要集第4部. 156-157 (1989)
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[Publications] 大口敬: "トンネル部と単路部における車両の追従挙動の比較" 土木計画学研究・講演集. 12. 75-80 (1989)