1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460164
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
半谷 裕彦 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90013193)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田波 徹行 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80163608)
|
Keywords | 不安定構造 / 形状決定法 / 空気膜構造 / ケーブル構造 / 一般逆行列 / 剛体変位 / リンク運動 / 安定化形状 |
Research Abstract |
大スパン構造として用いられる膜構造やケーブル構造では, 圧縮力に対する抵抗能力が極端に小さなケーブルや膜を構造材料としている. そのため,大変位問題, 初期応力導入問題, 形状決定問題, 等, 不安定構造に特有の諸問題が生じている. 本研究は, これらの構造物を理論的に扱う場合の基礎となる「不安定構造理論」を出発点とし, 3次元不安定構造の形状決定解析法を開発する. 同時に, モデルによる実験を実施し, 開発した解析法の有効性と適用範囲を調査する. 以上の研究目的に対し,本年度は下記項目を実施した. 1.不安定構造理論の構成:形状決定解析法の開発の基礎となる事項として, 増分型の基礎方程式を2次の非線形項まで採用することにより定式化した. この基礎方程式は, 不安定状態から安定状態への移行段階における適合条件式を表現したものである. この基礎方程式を一般逆行列の手法を利用して解析し, 剛体変位とその組合せを自動的に求める方法を定式化した. さらに, ポテンシャルエネルギー曲面の最速降下方向を利用し,不安定から安定状態へ移行するための最適移行条件を誘導した. 2.形状決定解析法の開発:前項の理論に基づき,不安定リンク構造の安定化移行過程を追跡するための数値解析用プログラムの開発を行った. このプログラムの特徴は,部材の結合関係,荷重条件,および,境界条件を設定すると,移行過程において自動的に形状決定を行うことができる点にある. 数個の例題による数値解析の結果, 本プログラムの有効性を確かめるとともに,解の唯一性に関する新しい問題が提起された. 3.モデル実験:接合部における回転剛性がほぼ零である3次元ガタガタモデルを試作し, 不安定構造の形状決定を模擬したモデル実験の予備調査をおこなった. それに基づき,本実験用のXーYーZ測定機の試作, および, 測定用機器の購入, 等を実施した.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 川口健一: 日本建築学会大会学術講演梗概集. 1201-1202 (1987)
-
[Publications] 半谷裕彦: 形の科学会第10回シンポジウム予稿集. 12-13 (1987)
-
[Publications] 半谷裕彦: Proceedings of the International Collozuium on Space Structures for Sports Building. 104-111 (1987)
-
[Publications] 半谷裕彦: 日本建築学会構造系論文報告集. 381. 56-60 (1987)
-
[Publications] 半谷裕彦: Proceedings of International Symposium on Domes from Antiquity to the Present. (1988)