1988 Fiscal Year Annual Research Report
高層建物の3自由度応答解析のための動的変動風力評価に関する基礎研究
Project/Area Number |
62460165
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
神田 順 東京大学, 工学部, 助教授 (80134477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 勉 東京大学, 工学部, 教授 (60010576)
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Keywords | バフェッティング / 風洞実験 / ランダム振動 / 強風応答 / 風向変動 / パワースペクトル / 乱れの強さ |
Research Abstract |
高層建物の強風下の応答評価については、風方向振動については、バフェティング振動、風直角方向および捩れ振動については、主に側面に生ずるストローハル数周波数成分の卓越した強制ランダム振動として、考えられる。本研究第2年次としては、昨年度の予備的風洞実験の結果に基づき、8種の異なる基本的断面形状を有する建物模型に対して、動的変動風力評価のための風洞実験を実施し、予備的解折を行った。 風洞内気流としては、郊外ないし低層市街地を想定した、自然風を模擬したものを採用した。平均風速の鉛直分布および乱れのスペクトル構造についての、自然風との対応については、今後さらに検討する予定であるが、境界層流中での代表的状況としての設定は満足できるものであると判断している。 断面形状としては、正方形、1:2長方形、三角形、ひし形、六角形隅切り正方形、円形、円弧飾付円形の8種類で、すべて等しい断面積を有し、またアスペクト比は、正方形で4:1のものである。高精度6分力計により、水平2方向の力および3方向モーメント測定を、対称性を考慮の上、風向角として5°ピッチで行った。 平均風力係数について、三次元効果を考慮して、概住の資料との比較を行うと共に、隅切りの効果、円弧飾付の効果などについても興味深い傾向を確認した。変動風力係数については、平均風力係数に認められる傾向にきわめて類似しており、今後、定量的にその評価の一般化を試みる必要性が確認された。変動風力のパワースペクトル密度の評価については、風向方向については、ストリップ理論を基本に、風直角方向および捩れモーメントについては、いくつかの経験式の形で扱われることが一般的であるが、いずれの場合も、その適用性について改良の余地があることが確認され、来年度の応答評価手法開発の中で検討する。
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