1989 Fiscal Year Annual Research Report
高層建物の3自由度応答解析のための動的変動風力評価に関する基礎研究
Project/Area Number |
62460165
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岩崎 良二 東京大学, 工学部, 助手 (60011160)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 勉 東京大学, 工学部, 教授 (60010576)
|
Keywords | バフェツティング / 風洞実験 / 強風応答 / パワ-スペクトル / コヒ-レンス / 乱れの強さ / 耐風設計 |
Research Abstract |
高層建物の強風下の応答評価のための基礎となる動的風力デ-タの蓄積を、3年間にわたり行い、本年度は、全体をとりまとめる方向で、研究を実施した。 風洞内気流としては、本年度さらに、乱れおよび平均風速鉛直方向分布性状を異にするものを1種追加し、計3種類の気流に対して結果をとりまとめた。断面形状としては、昨年度までの8種類に加えて、1:1.5長方形および1:3長方形の計10種類に対して実験を行った。 動的変動風力の評価に際しては、気流種別、断面形状および風向角ごとに、5分力、すなわち水平2方向の力、水平2方向に対する転倒モ-メントおよび捩れモ-メントに対し、平均風力係数、変動風力係数、変動風力のパワ-スペクトル密度およびコヒ-レンスの形で結果を整理した。係数の値については、既往の文献との比較を行うと共に、耐風設計時の静的外力評価に対しての断面形状および風向角の影響を考察した。 変動風力のパワ-スペクトル密度に関しては、風方向水平力と風直角方向水平力に対しての評価式の一般化を、既往の提案を改良する形で試みた。コヒ-レンスについては、直接比較できる既往の報告が見あたらないため、応答評価に対する影響を定量的に検討することにより、その重要性を考察した。 3自由度応答解析手法は、すでに確立している手法であるが、本研究成果の応用性の確認のため、風力評価式の要求精度の検討も含めて、高層建物の強風応答評価のための基本的な手法として整備した。スペクトル特性について、低無次元風速域での実験精度については、若干不十分な例が認められ、これらについては、今後の課題として、具体的に、本研究の応用性、発展性を示唆した。
|
Research Products
(1 results)