1988 Fiscal Year Annual Research Report
鉄骨鉄筋コンクリート造立体架構の弾塑性挙動に関する実験的研究
Project/Area Number |
62460169
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
森野 捷輔 三重大学, 工学部, 教授 (00027278)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 博嗣 三重大学, 工学部, 助手 (80157867)
内田 保博 三重大学, 工学部, 助手 (80168707)
|
Keywords | 鉄骨鉄筋コンクリート / 立体架構 / 弾塑性挙動 / 柱はり集合体 / 柱はり接合部 / 終局耐力 / 変形能力 / 2軸曲げ / 弱パネル |
Research Abstract |
本研究は鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造立体架構に一定軸力と繰返し2軸曲げせん断を加える実験と解析を行って架構の弾塑性挙動を把握し、SRC立体架構の合理的耐震性能評価を得ようとするもので、柱はり接合部を強く設計した柱崩壊型架構、接合部を柱より弱くした弱パネル型架構の両者について最大耐力・変形能力に及ぼす2軸曲げの影響を調べ、SRC立体架構の終局限界耐力・変形の評価法を確立することを目的としている。本年度はこのうち弱パネル型を対象とした。試験体はH形鉄骨(柱:2Hー148×30×6×9、はり:Hー180×50×6×9)および主筋4本を内蔵するSRC造部材を用いて製作した、柱と2方向はりから成る立体架構で、実際の骨組の中柱周辺の柱はり集合体を想定している。試験体にはまず一定鉛直力が柱頭に100トン油圧ジャッキで、また一方向のはり先端に長期荷重に相当する一定せん断力が載荷された後、直交方向はり先端に地震荷重に相当する繰返しせん断力が5tスクリュージャッキによって載荷され、載荷の各段階で各部材および接合部パネルのひずみおよび変形が、データアクィジション・コントローラおよびパソコンによって半自動的に測定されている。実験変数として本年度は、柱鉛直力の降伏軸力に対する比(0.2,0.4)および長期荷重によるはり端せん断力の大きさとパターン(立体載荷と平面載荷)をとった。実験の結果(1)鉄骨の接合部パネルは大きな塑性ひずみを受けるが、コンクリートの損傷はあまり観察されず、直交ばりの拘束効果が大きいこと、(2)弱パネル型の復元力の示す履歴ループは紡鐘型の安定したループで、繰返し載荷による劣化やPΔモーメントによる耐力低下は、柱崩壊型に比べてそれほど顕著でないこと、(3)柱崩壊型に見られたくの字形変形は見られず、変形は左右対称に生じること、などの新しい観察が得られた。
|