1987 Fiscal Year Annual Research Report
鉄筋コンクリート造ウォールガーダーの耐震・じん性能に関する研究
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62460171
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Research Institution | 九州芸術工科大学 |
Principal Investigator |
大久保 全陸 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (00087272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩屋 晋一 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (80170851)
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Keywords | 鉄筋コンクリート / ウォールガーダー(壁ばり) / 耐震設計 / じん性 / 曲げ / 軸方向変形の拘束 |
Research Abstract |
1.研究目的と方法 (1)目的: 本研究では, 地震力を受ける鉄筋コンクリート造ウォールガーダーの曲げ降状機構とじん性に及ぼす力学的条件を実験と解析によって明らかにすることを目的としている. (2)方法: 上記の目的のために, 本年度は, その影響因子として, 1)断面形状比(b/D), 2)引張鉄筋比(Pt), 3)複筋比(γ), 4)軸方向変形の拘束度(EA/l)の4因子に重点をおき, 16体の試験体の加力実験を行ない, その結果を検討することとした. 2.本年度の研究成果 上記の実験とその結果に対する解析から以下の事項が明らかにされた. (1)中段筋(腹筋)を有するウォールガーダーは, 腹筋が曲げに抵抗するため, 腹筋がないはりに比べて降状強度が顕著に増加する. (2)軸方向変形の拘束度(EA/l)の大小は曲げ降状時の強度と変形には顕著な影響は及ぼさないが, 曲げ降状以後の剛性と強度に大きな影響を及ぼす. (3)ウォールガーダーの基本的な破壊モードは曲げ降状後のコンクリートの圧壊と主筋の座屈であるが, 鉄筋比の増加により曲げ降状後のせん断破壊によってじん性が低下する破壊モードが現れる傾向がある. (4)軸方向変形の拘束の増加に伴って, コンクリートの圧壊・主筋の座屈及びせん断破壊等の生じる時の変形が減少する傾向がある. (5)断面の幅とせいとの比(b/D)が1/5以上ならば, せん断スパン比がこのウォールガーダーは, 部材角1/50までのじん性を確保できる. 3.次年度の実験研究で必要とされる検討事項 圧縮鉄筋の座屈とせん断破壊の防止しうる配筋詳細, 及び, スラブの存在による拘束効果の確認.
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