1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460176
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
早川 和男 神戸大学, 工学部, 教授 (60116241)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 道子 神戸大学, 工学部, 教務職員 (30167506)
塩崎 賢明 神戸大学, 工学部, 助手 (20127369)
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Keywords | 住宅統計 / 住居基準 / 最低居住水準 / 欠陥住宅 / 住宅ストック / 住宅の概念 / 国富調査 / 住宅統計の目的 |
Research Abstract |
1.日本の住宅統計の現状と変遷 日本の住宅事情を正しく把握し, 国民の住生活の改善, 住宅ストックの形成, 住宅政策の進歩に貢献するという視点から, 住宅統計の現状, 歴史, 問題点等の検討を行った. 住宅統計の主管局である総務庁統計局の協力のもとに, 住宅統計に造詣の深い研究者, 統計を使用して行政に携っている行政官を招いて検討を行った. 日本の住宅統計は世界の中で最も精緻なものの一つであるが, 西欧先進国と比べた際の住宅諸指標の概念の未成熟(例えば最低居室面積の規定が無く国際比較できない), 具体的な地域の住宅事情改善に役立たない調査のあり方その他様々の問題が明らかになった. 2.アメリカ・西ドイツの住宅統計 アメリカの住宅統計は悉皆調査(日本は6分の1)であり, 統計は具体的な地区の住宅と住環境の改善,住宅地再開発などに役立てることを目的にしている. 統計結果は住民に公表され, 学校, 福祉施設, 公園, 住宅等の公共事業予算の編成に際して市民の発言や地域計画への参加を容易にしている. 西ドイツの住宅統計はさほどきめ細くないが, 住宅政策が掲げる住宅基準の目標から見た住宅事情の現状把握という視点が明確になっている. 両国とも, 住宅統計を何のために使うか, 誰が使うかの問題意識が明らかなのに対し日本は一般的である. 指標と統計の意味は住宅統計の目的によって違ってることが理解され, 今後の研究に参考となった. 63年度は, イギリス, スウェーデン, 中国, 韓国等の住宅統計について研究するとともに, 老人福祉,住宅行政現場, 保健・医療行政等々の立場からの統計への課題の提起, 居住者団体等からのヒヤリング, 住居基準との関係, フィールドワーク等にとりくむ予定である.
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