1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460187
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小村 幸友 広島大学, 理学部, 教授 (40033774)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 醇児 広島大学, 理学部, 助教授 (30033814)
北野 保行 広島大学, 理学部, 助手 (20033855)
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Keywords | 超伝導酸化物 / TiーNi形状記憶合金 / 人工薄膜 / X線回析 / 電子回析 / 電子顕微鏡 |
Research Abstract |
機能性材料の特性に及ぼす原子講造・欠陥の影響をX線・電顕により原子的スケールで解析することを目的として下記の実験・研究を行った. 1.超伝導酸化物:高温超伝導体の発見にともない,この物質の微細組織の解明を目指した. 対象とした物質は主としてY Ba_2Cu_3O_<7-δ>系酸化物である. 超伝導体の材質の良し悪しの基準を,マイスナー効果の多少により評価し,その電子顕微鏡的組織の相異を検討した. その結果,アモルファス物質の混在・格子欠陥がその材偵を決める第一の要素であるが,第二点として双晶のラメラ結晶の厚さの分布も重要な要素であるという実験結果を得た. 2.TiーNi形状記憶合金:この物質ではマルテンサイト変態が重要であることは指摘されている. 常温で観測される散慢散乱は,非常に複雑でこれまでその逆格子空間内での分布でさえよく研究されていなかった. この散慢散乱はマルテンサイト変態の前駆的現象の一つと考え,まず逆格子空間内の分布を電子回折とX線回折を併用して決定した. 又この散乱強度分布の特徴より・結晶内にく123〉方向に長波長を持つ原子のひずみ波が存在することを見出し,このひずみ波が散慢散乱の原因であるとした. 3.人工薄膜の格子欠陥:MBE法で作られた〔(GaAs)_4(AlAs)_4〕_<150>多層膜について電子回折,電顕観察を行った. 試料中には目指した8層周期の超格子以外に8層,9層周期が不規則に分布したものも存在した. またCVD法でSi(001) 面上に結晶成長させたMgAl_2O_4薄膜が電子回折・電顕観察の結果,X線回折実験と反してランダムな配向を示すものが見出され,X線・電子回折両方法を併用した評価が必要であることが認識された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Kitano et al.: Jpn.J.Appl.Phys.26. L394-L396 (1987)
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[Publications] Y.Kitano et al.: J.Electron Microsc.36. 241-245 (1987)
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[Publications] Y.Kitano et al.: Phil.Mag.56. 579-591 (1987)
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[Publications] Y.Komura;K.Kifune: Proc.IVth Chinese-Japane Electron Microscopy Seminar.