1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460187
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桜井 醇児 広島大学, 理学部, 助教授 (30033814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小村 幸友 広島工業大学, 基礎教育, 教授 (40033774)
北野 保行 広島大学, 理学部, 助教授 (20033855)
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Keywords | 高温超伝導 / BiSrCaCuO |
Research Abstract |
BiーSrーCaーCuーO系超伝導物質:現時点で見出されている最高の超伝導転移温度を持つこの系の、高温Tc相の単相作成を試みた酸化物超伝導物質の作成は一般に、各々の酸化物Bi_2O_3(99.999%)、SrCo_3(99.99%)、CaCo_3(99.99%)、CuO(99.999%)の粉末の仕込み、その後、混合→仮焼→粉砕→ペレットへの整形→焼結、とのプロセスをとる。本年度は、仕込み組成比焼結時間、焼結温度、ペレットの圧力等を変化させて、種々の試料を作成した。作成した試料の電気抵抗、X線粉末回折の測定を行い、EPMA及び電子顕微鏡を用いてその組織の観察を行った。その結果、Bi、Sr、Ca、Cuの仕込み組成を4:3:3:7、焼結温度1151K、焼結時間は100時間で最も高温Tc相の多い試料が得られた。X線回折の結果では約70%の含有率が認められる。この条件で作成された試料は、電気抵抗は120Kで低下し始め、107Kでゼロ抵抗を示す。二段階の変化はしない。光学顕微鏡および反射電子像の観察結果、この試料は結晶粒が大きく、しかも密になっていることがわかった。EPMAの分析結果では、BiとCuの組成比は、1:1.4、CaとSrの組成比は1:0.9となり、高温Tc相と低温Tc相との混合であることが分かる。また第三の相として半導体または20Kクラスの超伝導物質Bi_2(SrCa)_2CuOの存在が、分析結果から予想されるが、Biの濃度がかなり過剰である。Bi原子がSrあるいはCaのサイトに入っていることも考えなければ分析結果の説明がつかない。電子顕微鏡観察によると高温Tc相、低温Tc相、その他の相がC軸を共有してインターグロースしているが高温Tc相が主体であることが分かった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Komura: Acta Cryst.C43. 7-10 (1987)
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[Publications] T.Ohba: Acta Cryst.B43. 489-493 (1987)
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[Publications] Y.Kitano: Journal de Physique. 49. C5-207-C5-212 (1988)
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[Publications] Y.Kitano: Journal de Rhysique. 49. C5-201-C5-206 (1988)
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[Publications] J.Sakurai: J.Rhys.Soc.Japan. 57. 24-25 (1988)