1988 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロアロイング鋼の組織制御に関する熱力学的解析
Project/Area Number |
62460191
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
西沢 泰二 東北大学, 工学部, 教授 (60005212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 博司 東北大学, 工学部, 助手 (70176923)
石田 清仁 東北大学, 工学部, 助教授 (20151368)
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Keywords | 相平衡 / マイクロアロイング鋼 / 特殊炭化物 / 溶解度 / 状態図 / Fe-C-Nb系 / Fe-C-V系 / Fe-C-B系 |
Research Abstract |
マイクロアイロング鋼における代表的な合金元素Nb,Ti,V,Bを含む鋼の複雑な相平衡を明確にするために、熱学的解析と実験的検討を行い次の結果を得た。 1.Fe-C-Nb系の相平衡の熱力学解析 Fe-C-Nb系における液相、オーステナイト、フェライト及びNbC炭化物との相平衡を明らかにするために、各相の熱学パラメータを推定し、コンピュータ計算を行った。オーステナイト中のNbCの溶解度積は、炭素濃度に依存するが、これはオーステナイトとNbCの平衡を2相分離と考えて解析する事によりうまく説明出来た。さらに、0.2%Nbの添加によってオーステナイト単相領域が消矢し、NbCが折出する事がわかった。 2.オーステナイト中のV炭化物の固溶度に及す合金元素の影響 オーステナイトやVCの固溶度に対する合金元素の影響について、熱力学解析を行うとともに、実用的にも重要なSi,Ni,Crについては実験による確認も行った。その結果、オーステナイト中でC原子と反発する傾向を有するSi,Ni,Al,Coは、VCの固溶度を減少させ、逆に引き合う傾向を持つCr,Mo,W,Mhは固溶度を増加させる事が予想された。これらの熱力学的な計算結果はSi,Ni,Crの実験事実とも良く一致する事がわかった。 3.Fe-C-B系の平衡状態図を熱学的に解析したパラメータを用いて、準安定状態図を研鑽した。これらの結果は、この系のアモルファス相の結晶化過程をよく説明し、また低合金鋼におけるボロカーバイドの折出過程を理解する上で、非常に有用である事がわかった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Hiroshi,Ohtani: Calphad. 12. 225-246 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Ohtani: Trans.Iron Steel Inst.Japan. 28. 1043-1050 (1988)
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[Publications] Taiji,Nishizawa: International Conference on Physical Metellurgy of Thermochemical Processing of Steels and Other Metals,Thermec-88. 39-48 (1988)
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[Publications] Hiroshi,Ohtani: Calphad.
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[Publications] Hiroshi,Ohtani: J.Iron Steel Inst.Japan.