1989 Fiscal Year Annual Research Report
構造用パ-ティクルボ-ドの内部組織構造とそのFRACTOGRAPHY
Project/Area Number |
62460203
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
又木 義博 九州大学, 農学部, 教授 (50038212)
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Keywords | 構造用パ-ティクルボ-ド / 内部組織構造 / 破壊過程 / 疲労破壊 / 履歴エネルギ / せん断型欠陥要素 / き裂型欠陥要素 / 弾性要素 |
Research Abstract |
構造用パ-ティクルボ-ドについて、繰返し負荷に対する耐久性ならびに信頼性の内部組織構造依存性に注目し、実用場面においても重要な内部組織構造の疲労破壊過程と履歴損傷の機構を究明した。その結果をまとめるとつぎの通りである。 (1)配向性パ-ティクルボ-ドの構成要素であるStrand相互間接着層のせん断型欠陥要素と内部組織構造上の欠陥や損傷などが生長し、巨視的部分破断が併起して、応力集中部が内層へ向け転移しながら断続的非線型緩和挙動を示す。 (2)3層構造パ-ティクルボ-ドの疲労過程での応力緩和は、初期に内部組織構造に存在する塑性的要素が消失し、さらに破断過程での塑性変形の蓄積で、履歴エネルギは初期減少・後期増加のパタ-ンをとる。 (3)疲労破壊の確率現象を示す臨界応力、すなわち疲労寿命の分布関数として、3母数Weibull分布が成立する。 (4)3層構造ボ-ドでの基本的疲労破壊モデルは、その内部組織構造に内在するき裂型欠陥要素の漸増的生長によって応力緩和が進行し、弾性的要素が次第に消失する様相を示す。 (5)配向性ボ-ドにおいては、その内部組織構造の構成要素であるStrandが相互にその繊維方向をほゞ平行に揃えて配列し、相互間の接着部が断続的にせん断作用で破断し,繰返し進行に伴い履歴エネルギの損失率が増大しながら破壊に至る。 以上の成果をもとにして、今後は、建築や、家具などの構造体部材としての構造用パ-ティクルボ-ドについて、その接合や複合構造におけるボ-ド内部組織構造の変形挙動や破壊過程を解析し、ボ-ドの強度設計、ひいては構造設計の基礎的研究を展開する予定である。
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Research Products
(2 results)