1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460205
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 強 京都大学, 農学部, 教授 (80021707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 勲 鳥取大学, 農学部, 教授 (40038237)
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Keywords | 脱リン技術 / 鉄接触材 / 接触曝気法 / 回転円板法 / 回分式間欠曝気法 |
Research Abstract |
農村集落排水のような小規模汚水処理施設に適した脱リン技術として、鉄接触材を使用した脱リン法の開発と実用化、並びにその運転管理方法を明らかにするを目的として、昨年にひきつづき処理方法の異なる3ケ所の実施設において実証試験を行った。 1.接触曝気法……岡山県山手村平山地区処理施設 本施設は2系列から成るが、そのうち接触曝気槽に鋳鉄製炉材を浸漬した第一系列においては、本年6月以降は生物膜の肥厚化とともに硫酸還元菌によるバクテリア腐食が起り、処理水のTーP濃度は1mg/l程度となった。9月の通日採水時にはSSの流出がみられたが、上澄水でみると50%程度の除去率であった。嫌気槽に鋳鉄製炉を浸漬した第二系列では、7月以降除去率の低下がみられたが、これは生物膜の過度の肥厚化による炉材の目詰りによるものと考えられた。 2.回転円板法……鳥取県東郷町埴見地区処理施設 鉄製円板の系列では処理水のTーP濃度は1.3〜3.3mg/lであったが、プラスチック円板の系列では2.1〜8.4mg/lと明確な差がみられた。しかし本施設ではSSの流出が多いので、上澄水のTーP濃度について比較すると、プラスチック円板の2.05mg/lに対して鉄製円板では0.60mg/lであり、交換後1年半を経過してもその効果は明瞭に認められた。 3.回分式間欠曝気法……滋賀県泰荘町常安寺地区処理施設 鉄筋浸漬区では5月以降若干の除去率の低下がみられたが、これは鉄筋表面への酸化皮膜の形成の他、処理時間を6時間に短縮したことによるものであろう。BOD,SSの除去や硝化、脱室に対する鉄筋浸漬の影響はみられず、鉄筋浸漬後1年5ケ月を経過しても60〜80%程度の安定したリン除去率が得られることが確認された。
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