1987 Fiscal Year Annual Research Report
リモートセンシングによる有明海浅海域の河水と浮泥の拡散・輸送機構の解析
Project/Area Number |
62460208
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
渡辺 潔 佐賀大学, 農学部, 教授 (30039309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬口 昌洋 佐賀大学, 農学部, 助教授 (20093974)
藤本 昌宣 佐賀大学, 農学部, 助教授 (00038241)
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Keywords | 有明海 / 海象 / LANDSAT / TM / MSS / 画像解析 / 浮泥 / 潮位 |
Research Abstract |
昭和62年度の研究目標は,有明海湾奥部の浅海干潟域で海象に関する基礎データすなわちシートルースを収集すること,また現有の海象自動観測装置によって入手される観測データを基に,海象の変動構造を明らかにすること,さらには地球観測衛星LANDSATによるリモートセンシングデータの海象解析における有用性について検討し,その画像解析結果を基に河水,浮泥の流動持性を明らかにすることであった. まず塩分濃度,水温,濁度などに関するシートルースは,LANDSAT通過時刻に合わせて収集された. また,海象の変動構造は,主に潮汐(潮位)について検討した. さらに画像解析はLANDSAT MSS及びTMデータについて行い,これらの有用性を検証すると同時に,河水,浮泥の全般的流動性について明らかにした. この研究によって明らかにされた主な知見をまとめると,次の通りである. 1.シートルースとCCT値との比較,検討の結果,MSS及びTMデータにおいては,それぞれバンド4,5及びバンド2,3,4のデータが浮泥の分布状況を把握する上で有効であった. 2.画像解析結果より,有明海湾奥部の西岸域に比較的濁度の低い海域が認められた. そして,この海域は1潮汐間の塩分濃度較差が1%以下及び底質の中央粒径値Mdφが4〜7の泥質堆積海域とほぼ対応した. 3.TMデータによる濁度分布の推定結果より,冬期においては潮流に伴う底質の巻き上げが湾奥部の濁度分布を左右することが明らかにされた. 4.湾内6箇所の潮位観測データの解析により,平均海面は8月に最も高く,逆に1月に最も低く,その差は約40cmに及んだ. これは気圧の年間変動とよく対応した.
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