1989 Fiscal Year Annual Research Report
床下粘膜との接触を考慮した全部床義歯の変形と応力状態の解明
Project/Area Number |
62460212
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
宮入 裕夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (50013892)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高山 義明 東京医科歯科, 歯学部, 講師 (80143593)
福田 秀昭 東京医科歯科, 医洋器材研究所, 助手 (50014163)
永井 正洋 東京医科歯科, 医洋器材研究所, 助手 (10013971)
高久田 和夫 東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助教授 (70108223)
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Keywords | 全部床義歯 / 床下粘膜 / 義歯の変形 / 粘膜の被圧縮性 |
Research Abstract |
本研究では義歯床と床下粘膜との接触状態を考慮し、合理的な義歯設計を行うことを目的として研究を行ない、本年度は以下の結果を得た。 1.粘膜の圧縮時の力学挙動をコンピュ-タでシミュレ-ションするためのモデルを作成した。このモデルにおいては、単純な局所圧縮の他にせん断変形による圧排や液体成分の流れが考慮されていることから、これまで提案されたモデルでは不可能であった。圧子面積が圧力被圧変位特性に及ぼす効果などの臨床的に重要な意味を持つ効果をシミュレ-ションすることができるようになった。 2.シミュレ-ションの結果より、圧子面積が圧力被圧変位特性に影響する際には圧子に臨接する粘膜の表面で盛り上がりが生じることが分かった。そこでブタ新鮮死体の下顎歯槽頂粘膜を用いて、部分床義歯を模倣した圧子により圧縮した場合について印象を採得し、無圧および強圧時に対応する石膏模型を作製した。模型の表面形状を非接触変位計により測定した結果、圧子臨接表面での盛り上がりを確認することができた。 3.隣接領域での盛り上がりはせん断変形と液体成分の流れのいずれでも生じるため、それぞれが変形にどれだけ寄与するかを明らかにすることが必要である。そこで圧子下においてどのようなせん断変形が生じるかを調べるために、ブタ新鮮死体下顎粘膜を用いて圧子下の粘膜組織における乳頭の傾斜状況を観察した。この項目に関しては、組織作製技術などに問題が残ったため将来も研究を継続して結論をだす予定である。 4.ヒト粘膜の力学的性質を無侵襲的に調べるために、円形圧子により粘膜にねじり変形を与え、粘弾性特性を測定する装置を開発した。この装置により各種材料の粘弾性が測定され測定手法の有効性が確認された。時間的な制約から生体組織への適用実験は実施できなかったが、技術的な問題はすでに解決されており近い将来に実験を実施する予定である。
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Research Products
(1 results)