修復用コンポジットレジンの機能限度とその評価法に関する研究

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62460213
• Research Institution: Kagoshima University
• Principal Investigator: 井上 勝一郎 鹿児島大学, 歯学部, 教授 (30047790)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 門川 明彦 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (00169533) ; 有川 裕之 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (90128405) ; 藤井 孝一 鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60156817) ; 上新 和彦 鹿児島大学, 歯学部, 助教授 (80028737)
• Keywords: コンポジットレジン / 光重合型コンポジットレジン / 硬化特性 / 機械的性質 / 細胞毒性 / 人歯牙 / 粘弾性 / 未反応物

Research Abstract

現在、一般臨床において使用されている充填用コンポジットレジンはその殆んどがBis-GMA(ビスフェノ-ルAグリシジルメタクリレ-ト)系のものとUDMA(ウレタンジメタクリレ-ト)系のものとである。したがって、これらの材料の機能限度を評価するために、硬化時の特性(硬化時間、重合収縮、フィラ-含有率など)、物理的ならびに機械的性質(吸水率、色安定性、硬さ、引張り強さ、圧縮強さ、圧縮弾性率、耐摩耗性、残留モノマ-など)、細胞為害性、人歯牙の動的粘弾性など多方面からの測定を行ってきた。しかし、いずれの測定結果も材料の機能限度を推定するには到らなかった。材料の機械的性質に関しては、それを支えている歯質の性質の方が材料の性質に比べて大きいこと、歯質の方が材料に比べて温度的にも安定していることもあって、その効果が大きく、材料の機能限度の評価に対して機械的性質の大小は大きな要因にはなり得なかった。また、細胞為害性についても、材料間ではかなりの差異が認められたが、定められた術式(例えば窩底における裏装処理)を行うことにより,その大部分が解消されてしまうことなどもあって、この方法でも材料の機能限度を評価するまでには到らなかった。
これに対して重合収縮率や歯質への接着力を含めて熱膨張係数など材料の寸法安定性に関する性質と充填物が機能するための辺縁封鎖性の間には密接な関連がみられ、寸法安定性に乏しい材料ほど辺縁封鎖性が低下し、材料そのものの機械的性質の劣化はみられなくても機能できなくなるという結果が得られた。したがって現在では、辺縁封鎖性に最も関与するこれらの因子について、さらに実験を重ね検討している段階である。

Research Products

• [Publications] Hiroyuki ARIKAWA: "Composite Restorative Resins Part 1 Setting Characteristics of UV and Visible Light-activated Composite Resins" DENTAL MATERIALS JOURNAL. 5. 246-251 (1986)
• [Publications] Koichi FUJII: "Composite Restorative Resins Part 2 Physical and Mechanical Properties of UV and Visible Light-activated Composite Resins" DENTAL MATERIALS JOURNAL. 5. 252-259 (1986)
• [Publications] Katsuichiro INOUE: "Composite Restorative Resins Part 3 Cytotoxicity Test to Mouse Fibroblasts in Culture of UV and Visible Light-activated Composite Resins" DENTAL MATERIALS JOURNAL. 7. 55-61 (1988)
• [Publications] Hiroyuki ARIKAWA: "Dynamic Shear Modulus in Torsion of Human Dentin" DENTAL MATERIALS JOURNAL. 7. 182-187 (1988)