1988 Fiscal Year Annual Research Report
大振幅電子プラズマ波を用いた新方式粒子加速法に関する基礎研究
Project/Area Number |
62460216
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
西田 靖 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00005315)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沢 武 足利工業大学, 共通, 講師 (10118440)
本沢 忠夫 宇都宮大学, 工学部, 教授 (20023707)
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Keywords | プラズマ波 / 電子ビーム / 線形加速器 / Vp×B加速法 / CFA加速器 / 波と粒子の相互作用 / 共鳴吸収 |
Research Abstract |
本研究では弱磁場中不均一プラズマに大電力マイクロ波を照射することにより、大振幅電子プラズマ波を励起し、Vp×B加速法による電子ビームと電子プラズマ波との相互作用に関する現象解明を行う。電子ビームを入射するために小さな電子銃を、Wpe=Woなる共鳴領域により幾分高密度の領域へ押入し、相互作用を行う領域(Wpe=Woなる領域)に充分な量の電子ビームを供給する(Wpe:電子プラズマ周波数、Wo:入射電磁波周波数)。現在、実験を終了し、現象の解析を行っている最中であるが、現時点で明らかになった事項を略述する。 1.定常磁場Ba=Oの条件下において、電子プラズマ波と電子ビームとの相互作用の詳細が明らかになった。特に、波と粒子の相互作用の基本である。粒子の捕捉機構及びその条件が明らかになった。 2.定常磁場が存在する場合にVp×B加速機構が成立し、効率の良い電子の加速が期待できる。実験結果によると、電子ビームの加速電圧約150V近傍で、電子プラズマ波と粒子との共鳴的な相互作用を示す徴候が現れている。この領域では電子ビームは初期エネルギーの2.5〜3倍に迄加速されることも明らかになった。 一方平行して製作されていた、プラズマを使用しない新方式のVp×B型線形電子加速器も完成し、動作原理の完証実験を行った。この結果、Vp×B型加速器(Cross Field Accelerator:CFA)の最大の特徴の1つである、波の系における粒子の自己収束の効果が明瞭に現れ、従来方式に比較して効率の良い線形加速器実現の可能性を示した。 今後はこれらの成果を発展させ、一層高エネルギーでかつ効率の良い線形電子加速器の開発を行う予定であるが、本研究によってその目途がついた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 西田靖 他: Phys.Lett.A131. 437-440 (1988)
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[Publications] 西田靖: Laser and Particle Beams. (1989)
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[Publications] 本沢忠夫: Phys.Fluids. 31. 1766-1772 (1988)
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[Publications] 本沢忠夫: Phys.Lett.A130. 367-370 (1988)
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[Publications] 本沢忠夫: J.Phys.Soc.Japan. 57. 3802-3808 (1988)