1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460228
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Research Institution | Kagawa Nutrition University |
Principal Investigator |
寺元 芳子 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (10095432)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 敦子 女子栄養大学, 栄養学部, 助教授 (80077106)
村田 安代 女子栄養大学, 栄養学部, 助教授 (20076186)
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Keywords | 胚茅精米 / 精白米 / アミログラフ / 示差型分析 / テクスチュロメーター / 細胞壁 / 加水量 / 総香気量 |
Research Abstract |
胚茅精米と粒白米の炊飯に伴う変化を物理化学的に測定し,両者における食味の差異を明らかにすることを目的とした. 実験1.米について 試料の胚茅精米,精白米は60年度及び61年度産のアケボノ(岡山産)を用いた. 一般成分分析,アミログラフ,示差熱分析吸水率などを測定した. その結果,アミログラフでは最高粘度が胚茅精米においてやや低く,示差熱分析では吸熱ピーク温度がやや高かった. これは胚茅精米の方がでんぷん粒の膨潤が抑さえられ,糊化するためにエネルギーを多く必要とする. 一般成分からみて脂質,無機質による影響ではないかと考えられる. 浸漬による吸水率では胚茅米の方が精白米よりもやや高かった. 実験2 飯について 加水星は胚茅精米重量の1.6倍,1.8倍とし,比較のため精白米は1.6倍で炊飯した. 測定項目はテクスチュロメーターによる飯の硬さ,凝集性,HPLCによる遊離糖,BAP法による糊化度,X線回析GCーMSによるにおいに分析,組織の顕微鏡観察及び官能テストを行った. その結果,テクスチュロメーター特性値や官能テストによると,加水量を1.6倍とした場合,胚茅精米の方が精白米より硬くなり老化しやすい傾向にあった. 組織的にも細胞壁の残存が多いことや各細胞が十分膨潤していないという顕微鏡観察やX線回析図からも明らかであった. 凝集性は胚茅1.8倍が顕著に低い傾向にあった. 飯のにおいの分析ではヘキサナールなど13の物質を同定定量した. 胚茅精米飯の方が総香気量が多かった. 官能テストの結果,炊きたてでは,加水量1.6倍の胚茅精米よりも精白米の方が好まれたが,経時的には加水量1.8倍の胚茅精米の方が好まれ,精白米との食味の差がちぢまった.
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Research Products
(1 results)