1987 Fiscal Year Annual Research Report
原子力プラントにおけるSignal Validation技術の開発
Project/Area Number |
62460230
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北村 正晴 東北大学, 工学部, 助教授 (00005422)
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Keywords | 信号妥性検証 / 原子力プラント計装 / 知識ベースシステム / 知識工学 / 運転員支援 / 多重冗長化 / 計装系の評価 |
Research Abstract |
本年度の研究計画を実施した結果,以下の実績と成果を得ることが出来た. 1.目的とするSignal Validation技術の中心的要素である,機器ならびにセンサー類の動特性的挙動知識データベースに関しては,原子力プラントを構成する代表的機器を対象として既に構造設計ならびに製作実装を完了している. 各機器についての知識は記号処理論理でモジュール的に記述されており,任意の機器組み合わせを柔軟に実現することが可能となった. 2.この知識モジュールをプラントの配管および計装の系統データに基づいて適切に結合するデータベース管理プログラムおよび動的挙動を解析するための推論プログラムも既に設計製作を完了している. 様々な機器要素の組み合わせに対し,プラント変数の動的挙動を定性的に推定するという当初目的とした機能はこれらのプログラムにより充分満されている. 3.関連する研究として,Signal Validation Schemeを複雑,大規模なプラント計装系ネットワークに合理的に実装するために指針の確立を目的とした情報理論的基準の検討も併せて実施した. これにより, 個々のセンサーがプラント状態監視や異常診断において情報獲得上寄与する程度(重要度)の統一的評価が可能となり,手法の適用性を大幅に向上出来た. 4.項目1,2で開発されたデータベースおよび推論プログラムを用いて,対象とするプラントの指定された計装系にSignal Validation Schemeを導入する予備的な試みが行われ,試験された範囲では本研究で提唱する手法の有効性が高いことが明確に実証されている. 各プログラムは本補助金による購入した知識データプロセッサ(SONY製ワークステーションNEWS)上にC言語を用いて開発実装されている. 今後,データベースの拡充と,より広範な対象への適用を通じ本手法の実用性の向上を図っていく予定である.
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[Publications] M.Kitamura: Topical Meeting on AI and Other Innovative Computer Applications in the Nuclear Industry:Snowbird,USA,Aug.31--Sep.2,1987.
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[Publications] 北村正晴: 日本原子力学会昭和62年秋の大会予稿集C23.
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[Publications] M.Kitamura: 12th IMACS World Congress:Paris,July 18-22,1988.