1988 Fiscal Year Annual Research Report
レーザーホトリシスによる励起高歪み化合物に関する研究
Project/Area Number |
62470008
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
濱之上 熊男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30025374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丑田 公規 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (60183018)
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Keywords | レーザー分光 / 高歪み化合物 / エネルギー緩和過程 |
Research Abstract |
高歪み化合物の励起状態におけるエネルギー緩和過程を吸収・発光スペクトル及びそれらの時間的強度変化の測定より検討し、励起状態の物理的・化学的挙動を解明することを目的とした。本年度は先ず次の様な装置の改良を行なった。(1)昭和62年度に完成させた高速スペクトル解析装置には、ピコ秒レーザーホトリシス用の分光器を使用していたので、本年度設備備品である分光器と交換した。(2)設備備品としてモニター光用光源を購入した。これによりモニター光量は増大し旦つ安定となった。(3)ナノ秒ルビーレーザーのタイミング回路を改良した結果、レーザー発振とモニター光用光源との同期が容易に行なえるようになった。改良したレーザーホトリシスシステムを用いて、以下の様な興味ある結果を得た。(4)77K、EPA中における1ーtーブチルー及び1,2ージーtーブチルアントラキノン(1ー^tBuAQ及び1,2ー^tBuAQ)のりん光スペクトルは無置換AQのそれと類似した振動構造を持ち、また、寿命も数msであった。一方、1.8ー^tBuAQ、1,2,3ー^tBuAQ及び1,2ー^tBu-3ートリメチルシリルAQ(1,2ー^tBuー3ーTMSAQ)のりん光スペクトルはブロードであり、寿命は数μsと短かい。一方、1,5-^tBuAQの発光は検出できなかった。(5)上記化合物の過渡吸収スペクトルとその減衰寿命を測定した結果、1,2,3^tBuAQ及び1,2ー^tBuー3ーTmsAQではT′←T_1吸収が、1,2ー^tBuAQでは反応中間体の吸収が観測された。(6)77K、トリフルオロエタノール(TFE)ー水中におけるAQ及びβーハロゲン化AQのりん光スペクトルの時間的形状変化及び寿命変化を測定した。この結果は三重項のAQーTFEー水の錯体形成によって説明できる。(7)同様の測定を種々の芳香族カルボニル化合物についても行なったところ、りん光スペクトルの時間的形状変化及びその寿命変化には、種々のタイプがあることが判明した。
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[Publications] Toshihiro Nakayama: Chemical Physics Letters. 148. 259-263 (1988)
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[Publications] Tosihiro Nakayama: Ultrafast Phenonema VI(Springer Series in Chemical Physics 48). 489-491 (1988)
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[Publications] Kumao Hamanoue: Journal of Physical Chemistry.
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[Publications] Kiminori Ushida: Review of Scientific Instruments.
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[Publications] Kiminori Ushida: Radiation Physics and Chemistry.
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[Publications] 丑田公規: 日本化学会誌.