1988 Fiscal Year Annual Research Report
2.4ーペンタジエンニトリル類の電解還元二量化に関する研究
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62470020
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
片桐 孝夫 静岡大学, 工学部, 教授 (60021995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高部 圀彦 静岡大学, 工学部, 助教授 (30022239)
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Keywords | 電解還元二量化 / 3,7ージメチルー2,7ーオクタジエンー1ーオール(イソゲラニオール) / 共役ニトリルのReformatsky型反応 |
Research Abstract |
3ーメチルー2,4ーペンタジエンニトリルの電解還元二量化において、15%エチレングリコール水溶液を溶媒とし、0℃以下での反応を行った。低温になる程、非共役型の生成物(1,8ージシアノー2,7ージメチルー2,6ーオクタジエン)が増加し、ー5℃においては、遂に生成二量化物中に共役型のものが見られなくなった。このような生成物特異性は、2,4ーペンタジエンニトリルが電極において電子を受取り、先ず右図のN型のアニオンラジカルが生成するものと考えられる。低温においては、これにそのままプロトンが付加し、非共役型のフリーラジカルとなって二量化(尾一尾二量化)するものと考えられる。これに対し、温度が高いと、生成したN型アニオンラジカルが、熱力学的に安定なC型となり、これが上と同様の反応によって尾一尾二量化するものと考えられる。尚、ー5℃の反応で得られた二量化物はHPLCの結量100%の存在比で非共役型のものであり、その融点は69.5〜72℃の白色針状結晶であった。 2,4ーペンタジエンニトリルの合成前駆体である3ーヒドロキシー3ーメチルー4ーペンテンニトルの酢酸ー無水酢酸による反応で60%の収率で5ーアセチルー3ーメチルー3ーペンテンニトリルが得られた。これと臭化メタリルとのReformatsky型反応によって3,7ージメチルー5ーオキソー2,7ーオクタジエニルアセタートが50%の収率で得られ、そのカルボニル基の還元として、ホウ水素化ナトリウム、メタンスルホニルクロリド、さらに水素化リチウムアルミニウムによる反応によってカイガラムシや王蝶のフェロモンの合成前駆体となる3,7ージメチルー2,7ーオクタジエンー1ーオールを合成することができた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Takao KATAGIRI;Kunihiko TANABE;Hidemi YODA;Takashi YAMADA: 油化学.
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[Publications] Takao KATAGIRI;Hidemi YODA;Takashi YAMADA;Kunihiko TAKABE: 油化学.
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[Publications] Takao KATAGIRI;Hidemi YODA;Takashi YAMADA;Kunihiko TAKABE: 油化学(予定).