1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470023
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小倉 文夫 広島大学, 工学部, 教授 (90028150)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安蘇 芳雄 広島大学, 工学部, 助手 (60151065)
大坪 徹夫 広島大学, 工学部, 助教授 (80029884)
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Keywords | アセトキシテルリニル化 / オキシテルリニル化 / アミノテルリニル化 / アミノ新合成法 / ベンゼンテルロールによる還元 / アリールテルリン酸無水物 |
Research Abstract |
1.酸化反応についてはアリールテルリン酸無水物(混合酸無水物を含む)による種々の新反応を開発した. 酢酸中オレフィンと反応させるとアセトキシテルリニル化が起こる. ここでフェニルテルリニル基は求電種としてMarkovnikov則に従うトランス付加を起こす. 反応はBF_3Et_2O等Lewis酸により促進される. 分子内の適当な位置にOH基を持つオレフィンは同じ反応条件下閉環し環状エーテルを与える. 反応系中にアルコール,カルバミン酸エステル等求核性反応剤が共存すると, それらが酢酸の代りに付加するオキシあるいはアミノテルリニル化反応を発見した. 反応生成物は還元しテルリドとして単離する. アミノテルル化反応を高温で行なうと更に分子内S_N2閉環が起こりTe基が脱離し2_-オキサゾリドンが生じる. この新反応によりオレフィンから1 potかつnetーcis付加で2_-オキサゾリジノン誘導体を高収率で合成できる. 酢酸の代りにCF_3CO_2H,CF_3SO_3Hなどを用いると著しく反応性が高まり, 特に後者では触媒が不要である. 同じ反応条件下ニトリルを溶媒として用いるとRitter反応類似のアミドテルリニル化が起こりアミドを生じることを発見した. この場合も反応温度を上げると分子内S_N2反応が起こり, 2_-オキサゾリン環が得られる. つまりオレフィンから1 potかつ選択的に2_-オキサゾリン誘導体を合成できる新反応を開発した. 2.hardーsoft反応剤としてフェニルテルロスタナン(PhTeSnBu_3)について研究した. ケイ素類似体に比べかなり安定で取扱いやすいがやや反応性が低い. しかし触媒等反応条件の選択による類似の反応性が発現することを明らかにした. 3.ベンゼンテルロールの還元反応については詳細に研究し官能基選択性と1電子移動により進行する反応であることを明らかにした. 4.PhTeTePhとI_2から容易に得られるベンゼンヨウ化テルレニルの反応について研究した. 5.不斉合成反応へのTe化合物の利用についても研究を開始した.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 胡南星: Tetrahedron Letters. 28. 1281-1284 (1987)
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[Publications] 安蘇芳雄: 日本化学会誌. 7. 1490-1496 (1988)
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[Publications] 胡南星: Chemistry Letters. 7. 1327-1330 (1987)
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[Publications] 長川敬一: Chemistry Letters. 7. 1331-1334 (1987)
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[Publications] 胡南星: Journal of the Chemical Society,Chemical Communicaitons Chemical Communications. 19. 1447-1448 (1987)
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[Publications] 胡南星: Tetrahedron Letters. 29. (1988)
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[Publications] 松木敏明: Bulletin of the Chemical Society of Japan. (1988)
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[Publications] 胡南星: "Review on Heteroatom Chemistry(Arenetellurinic Anhydrides as New Synthetic Reagents)" Myu Research, (1988)