1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470024
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
都野 雄甫 九州大学, 理学部, 教授 (10029845)
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Keywords | 原系復帰 / ソルボリシス機構 / イオン対機構 / Oー18スクランブリング |
Research Abstract |
3ーフェニル-2ーブチルブラシラートのアセトリシスにおける置換基効果を検討し、k_Δとk_Sの両機構への分離を行なった結果、kΔ機構に対してρ=-3.3、γ=0.55が得られ、フェニル関与機構の遷移状態の1級系のネオフィル、βーフェネチル系のほぼ完全な類似性が明らかになった。前年度、フェネチル系のフェノニウムイオンに関する^<18>Oスクランブリングの研究の結果、イオン対の種類と性質等、中間体インオ対構造に関して得られた知見と比較するため、この二級系の^<18>Oスクランブリングを検討中である。前年度の2ーフェニルプロピルおよび2ーフェネチル系において、intimateイオン対からのリターンの場合、完全スクランブリングを伴わない元のOがそのままリターンする機構が存在する事が判明したので、αー^<13>Cラベルの2ーフェネチルー1ー^<13>Cとβー^<13>Cラベルノ2ー^<13>Cのスルホニルー^<18>O_2ラベルトシラートを用いて^<18>Oスクランブリングがフェノニウムイオンに対し対称に起こるか否かを追跡した。イオン対での^<18>Oの攻撃が両メチレン炭素に等価に起こっていること事が実証された。架橋陽イオンの両炭素が^<18>Oに対し完全に等価である事実は、リターンが元のCー0結合のイオン切断後起っており、ソルボリシス反応に伴うリターンは必ずイオン化、中間体イオン対生成、再結合の過程を経由することが明らかになった。これらk_Δソルボリシス系で得られた^<18>Oスクランブリングによる原系復帰の研究からsimpleなアルキル系ソルボリシスでも^<18>Oスクランブリングの量以上にリターンが起こっていると考えるべきであり、又、強いアニオンーカチオンの相互作用により、よりintimateなイオン対では元の酸素での再結合が更に優先すると予測される(hiden return)。^<18>O交換反応から、完全^<18>Oスクランブリングの溶媒介在イオン対とintimateイオン対が区別され、またこれによって両イオン対の定義の可能である事が判明した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Fujio;F.Sanenatsu;Y.Tsuno;M.Sawada;Y.Takai: Mem.Fac.Sci.,Kyushu Univ.,Ser.C. 16(2). 193-206 (1988)
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[Publications] M.Sawada;Y.Takai;S.Misumi;T.Hanafusa;Y.Tsuno: J.Org.Chem.53. 191-194 (1988)
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[Publications] M.Mishima;H.Inoue;M,Fujio;Y.Tsuno: Tetrahedron Lett.30. (1989)
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[Publications] 藤尾瑞枝,実松太,都野雄甫,澤田正実,高井嘉雄: 日本化学会誌. (1989)