1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470025
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
外間 宏二 琉球大学, 理学部, 教授 (60044971)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
比嘉 松武 琉球大学, 理学部, 助手 (10045031)
与儀 誠一 琉球大学, 理学部, 助教授 (00045006)
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Keywords | 食草 / ホウライカガミ / リュウキュウウマノスズクサ / 産卵刺激活性 / ピロリチジンアルカロイド |
Research Abstract |
ホウライカガミはオオゴマダラの幼虫の食草であり, この蝶は幼虫時代にこの植物に含まれる毒成分を蓄え, 成虫にまで持ち越し捕食者から身を守っていると考えられている. このようなことから我々はこの植物のアルカロイド成分の検索を行った. ホウライカガミの生葉のエタノール抽出液から常法により塩基性成分を分画した. 塩基性成分のクロロホルム可溶部についてシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い白色粉未を得た. これはEhrlich反応陽性で淡赤紫色を呈することからpyrrolizidine alkaloidsと推定される. このもののMSスペクトルはm/z 439, 441, 455および469に分子イオンピークと考えられるピークを示す. m/z 439, 455および469はEdgarらがparsonsia spiralis Wallから単離したparsonsine, spiralineおよびspiranineの分子イオンピークに相当するが, m/z 441は新規アルカロイドの分子イオンピークと考えられる. 現在この白色粉未の高速液体クロマトグラフィーによる分取を検討しているところである. 一方, リュウキュウウマノスズクサはジャコウアゲハの幼虫の食草であり, 鳥などの害敵から身を守る手段としてこの植物に含まれる成分を幼虫や成虫に蓄えているとも考えられる. また, 最近, ウマノスズクサより産卵刺激活性を強める因子としてaristolochic acid Iが報告されており, リュウキュウウマノスズクサにもこのような産卵刺激活性を持つ成分が含まれている可能性がある. そこで, この植物の成分検索を行い, 葉よりethyl myristate, ethyl palmitate, ethyl stearate等の脂肪酸エステル, ceryl alcohol, octacosanol, melisyl alcohol等の脂肪族飽和アルコールの混合物, BーsitosterolとそのDーglucoside, mesoーinositolおよびaristolochic acidを単離同定した.
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