1988 Fiscal Year Annual Research Report
精製酸蒸気による高純度物質の加圧分解と微量不純物の一滴法原子スペクトル分析の研究
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62470033
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小島 功 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60022620)
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Keywords | テフロンボンベ / 加圧分解 / 酸蒸気分解 / 一滴法原子スペクトル分析 / ミクロ溶媒抽出 / 高純度シリカ / 金属錯体 |
Research Abstract |
ステンレス外筒付二重テフロン分解容器を用いて、2gの高純度シリカと分解用酸(フッ化水素酸+塩酸+硝酸)を別々に入れて密閉・加熱することにより、シリカを外界からの汚染を受けることなく酸蒸気により分解することが出来、シリカ中の不純物元素である7元素(Na、Ca、Mg、Cu、Fe、Mn、Ti)を少ない試料溶液量(80あるいは50μ〓)を用いる一滴法フレーム原子吸光分析法及び一滴法ICP発光分光分析法により定量することが出来た。しかし、不純物元素の一つであるAlを定量しようとする場合、分解に用いる試料量を200mg以下に減らさなければならなかった。 Cu(I、II)、Fe(II、III)、Zn、Cd、Ni、Coのジチゾンあるいは他の抽出有機試薬との錯体を有機溶媒(四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロエタン、メチルイソブチルケトン)に同時抽出濃縮し、抽出した有機溶媒溶液30ー40μ〓を直接噴霧する"一滴法"フレーム原子吸光分析法を確立した。しかし、連続噴霧法においては溶媒によってシグナルが不安定になるため、測定は不可能であった。この際、D_2バックグラウンド補正と空気ーアセチレン炎と100μ〓以下の有機溶媒溶液を用いて得られた原子吸光シグナルは金属元素の種類により特有なスパイク状信号であったが、このシグナルの形状は各金属の酸化物の解離エネルギーと密接に関連しているように思われる。他方、酸化二窒素ーアセチレン炎を用いた場合には、金属元素の種類に関係なく同様な形状のシグナルが得られた。 有機物試料の迅速加熱酸分解法として非常に有効であった電子レンジ加熱による試料分解法をシリカの酸蒸気分解法に応用する予定であったが、ポリプロピレン外筒付二重テフロン分解容器の温度と圧力に関する安全性がまだ完全には保証されていないため、この分解容器を用いるシリカの酸蒸気分解法が今後の検討課題として残ったのは残念である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Isao KOJIMA: Analytical Sciences. 4. 211-214 (1988)
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[Publications] Isao KOJIMA: Journal of Analytical Atomic Spectrometry. 3. 583-586 (1988)
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[Publications] 内田哲男: 分析化学. 37. T232-T237 (1988)
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[Publications] Isao KOJIMA: To be Published elsewhere.