1987 Fiscal Year Annual Research Report
金属錯体における配位子交換反応の光誘起効果ーレーザー光照射NMR法の開発ー
Project/Area Number |
62470039
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
冨安 博 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 助教授 (50016854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 雅幸 東京工業大学, 原子炉工学研究所, 教務職員 (20156516)
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Keywords | 金属錯体 / 配位子交換 / NMR / レーザー化学 |
Research Abstract |
本年度は光照射NMR装置の開発を行なった. NMR試料管は測定中は磁石の中心部に置かれ,さらにプローブ(発信及び受信用コイル)に囲まれているため,NMR測定中に外部から光照射することは容易ではない. 本研究では二つの方法を試みた. そのうちの一つは,プローブに光ファイバーゲーブルを通すことができる程度の穴を開け,この光ファイバーによってレーザー光を照射する方法である. この方法では,光は試料管の側面から照射されるため,光量の損失が少なく安定した光照射実験が可能である. しかし,プローブにに穴を開けるためNMRスペクトルの分解能を悪くすることが予想される. このため,多核用プローブを使用することはできず,本研究では^1H用プローブを改良することにした. もう一つは,温度制御装置を改良する方法である. 温度制御装置の内部には温度制御用の空気が流入する空間があるが,この空間を通ってレーザー光が試料に照射できるようにミラーを取り付けた. この方法ではプローブに手を加えないためNMRスペクトルの分解能を悪くすることはなく,したがって多核用プローブも使用できるという大きな長所があるが,光照射は試料管の底から行なうためある程度の光量の損失が予想される. 本年度は二つの方法を同時に行ない,両方法とも装置はほぼ完成した. 近日中に光照射NMRの測定を開始する予定にしている. レーザー光源としてはアルゴンイオンレーザー(主に可視光レーザーであるが紫外発光も可能)を用いる. アルゴンイオンレーザーは連続光であるため,NMR照射用には好都合である. このレーザーを用いてウラニルイオンの光励起に関する予備実験はすでに行なっている.
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Research Products
(1 results)