1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470048
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
谷田 勝俊 弘前大学, 理学部, 教授 (40006028)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 正敏 弘前大学, 理学部, 助手 (80125442)
中谷 周 弘前大学, 理学部, 助教授 (80001626)
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Keywords | 層状マンガン鉱床 / ケイ酸マンガン鉱 / 含マンガンアルカリ角閃石 / 第三紀酸化マンガン鉱床 / 二酸化マンガン鉱 / パイロルース鉱 / モンモリロナイト化作用 / モルデンフッ石 |
Research Abstract |
鉱床調査および研究試料の採取は, ケイ酸マンガン鉱については岩手県田野畑鉱山, 酸化マンガン鉱については青森県久渡天鉱山および今別山鉱山について行なった. 田野畑鉱山は中生代の変成層状マンガン鉱床であり, 一部入坑可能な2坑および3坑鉱床から, バラ輝石, テフロカンラン石を主とする鉱石試料を多数採取した. 鉱石は鉱物組成が複雑であるため, 現在, 顕微鏡, X線, EPMAで検討中であるが, この過程で神津閃石とは異なる含マンガンアルカリ角閃石の産出および特異な性質のアルカリ輝石の存在が明らかになった. 久渡寺鉱山の鉱床は第三紀酸化マンガン鉱床で, 鉱石はパイロルース鉱を主とする二酸化マンガン鉱である. 本鉱山のパイロルース鉱は化学分析が全く行なわれていないので, 15試料についてEPMAによる分析を行なった. さらに, 反射顕微鏡による観察から, パイロルース鉱は従来から指摘されていた水マンガン鉱の仮像をなす場合と, 鉱石の割れ目や晶洞に沈殿した場合の2つの形成過程があることが明らかとなった. 前者はほとんど純粋に近いMnO_2であるが, 後者はMnO_2にやや乏しく, TiO_2やFe_2O_3などに富むことがわかった. また, SiO_2は平均して0.6%程度常に含まれ, 不純物としてではなく, 鉱物の構成成分と考える方が妥当であることがわかった. 鉱床母岩は強いモンモリロナイト化作用をこうむっていて, モンモリロナイトのほかに, 少量のフッ石が存在している. 第3紀酸化マンガン鉱床の粘土化母岩にフッ石を伴なう例があることは2, 3の報告があるが, 鉱物種は決定されていない. したがって, 走査電子顕微鏡で検討したところ, 久渡寺鉱山のフッ石はモルデンフッ石であることが判明した. 今別山鉱山の鉱床も久渡寺鉱山同様第三紀のものであるが, 鉱石鉱物の主体はブラウン鉱である. 現在, ブラウン鉱に重点をおいて検討中である.
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