1987 Fiscal Year Annual Research Report
スパッター法による薄膜のアモルファス化とスパッター粒子の挙動に関する研究
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62470063
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
花田 禎一 京都大学, 教養部, 助教授 (50111935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中西 和樹 京都大学, 工学部, 助手 (00188989)
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Keywords | スパッター粒子 / マススペクトル / 石英ガラス / 四重極質量分析計 |
Research Abstract |
高周波スパッター法によるSiO.ナ_<2.ニ>の成膜プロセスにおいて,スパッター粒子の形状を決定するとともに,粒子のスパッタリング零囲気ガスの組成依存性について調べた. 更に高周波電力が,スパッター粒子に及ぼす影響についても検討した. 高周波スパッタリング装置は既存の日本真空技術社製SBRー1104を用いてSiO.ナ_<2.ニ>ガラス板をターゲットとしてスパッタを行い,放出されるスパッター粒子と今回購入の差動排気システムを用いて日本真空技術社製四重極質量分析計MSQー400に導入した. このシステムはスパッタリング槽内の質量分析計内とに差圧を生じさせることにより,粒子を取り込むシステムである. スパッタリングガスとしてAr100%でSiO.ナ_<2.ニ>をスパッタした場合に放出されるスパッター粒子は,Si,SiO,O.ナ_<2.ニ>(O)であり,SiO.ナ_<2.ニ>,Si.ナ_<2.ニ>,Si.ナ_<3.ニ>,(SiO).ナ_<2.ニ>などの複合粒子は確認されなかった. この結果は,サンタマリアらの発光スペクトルを用いた解析結果とよく一致している. このことから,今回付設した質量分析システムは当初の目的に沿ったものであると言える. 次に,スパッタリング雰囲気ガスの組成がスパッター粒子に及ぼス影響をArのスパッタリングガス中にO.ナ_<2.ニ>を導入することにより調べた. その結果,Si粒子に対してはガス組成の影響はあまり認められなかったが,SiO粒子についてはO.ナ_<2.ニ>含有量約20%までは,その数が急激に増加し,それ以上の濃度では緩やかに増加する傾向が認められた. このことから,SiO粒子はスパッターされたSiがO.ナ_<2.ニ>(O)と反応して生じたものと考えられる. 一方,高周波電力依存性については,電力値の増加に伴いSi,SiO粒子数とも増加する傾向を示した. これはSiO.ナ_<2.ニ>のスパッタリング率が加速電圧と共に増加する事を反映していると思われる. また,石英ガラスと同じ構造をもつと考えられる,AlPO.ナ_<4.ニ>非晶質についても本年度はその物性を測定し,AlPO.ナ_<4.ニ>に関するスパッター粒子の挙動を調べる基礎とした.
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Research Products
(1 results)