Research Abstract |
セラミックスや金属材料を基質として,電気泳動やスパッタリングなどにより,リン酸塩膜を生成させることを目的とする実験を行った. 電気泳動による実験では,市販水酸アパタイト(HAp)や湿式合成HApを用い,分散媒として,メチルアルコール(MeOH),エチルアルコール(EtOH),イツプロピルアルコール,ブタノールなどのアルコール類,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,テトラヒドロフラン,ジメチルスルフォオキシド,アセトン,ジオキサンなど種々の有機溶媒を用いた. 基質は,主として,金属チタン板を使用した. ITOガラスなどについても試みた. 極板間の電位差を定電位装置を用いて一定とし,50〜100V/cmの条件で,HAp粉末を泳動させた. その結果,MeOHやEtOHなどのアルコール類,アミド類を分散媒とした場合に良好なHAp膜が得られ,5〜15mg/cm_2の膜量であることがわかった. MeOHあるいはEtOHとアミド類との混合分散媒の場合,それぞれの単味の場合よりも膜量が増加する場合があることがわかった. 極板間電位差と膜量とは,ほぼ比例関係があり,分散FAp量を増すと,膜量が急激に増加することが認められた. 10分程度の範囲内では,処理時間と生成膜量とについてもほぼ比例することがたしかめられた. 分散媒の誘電率,粘度と生成膜の性状,膜量とし関係については,検討中である. また,ゼータ電位測定から,各溶媒中におけるHApの表面状態についても検討中である. 多機能PUOシステムを用いる実験では,メタリン酸カルシウムガラスを用い,Arでスパッタリングすることを試みでおり,Ar圧,温度などの最適条件を探索中である. スパッタリングの他に,イオンプレーティングの条件などについても検討中である.
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