1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470067
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
梅垣 高士 東京都立大学, 工学部, 助教授 (70087287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近沢 正敏 東京都立大学, 工学部, 教授 (90087289)
井上 博之 東京都立大学, 工学部, 助手 (10193608)
山下 仁大 東京都立大学, 工学部, 助手 (70174670)
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Keywords | 電気泳動 / スパッタリング / 水酸アパタイト / リン酸カルシウム / アルコール類 / ジメチルスルホオキシド |
Research Abstract |
電気泳動とスパッタリングとにより、膜状リン酸塩を調製し、組成、構造、物性などを調べた。電気泳動による実験では、陰陽両極にチタン板を用い、水酸アパタイト(HAp)を有機溶媒中に分散させた。前年度検討した溶媒の他に、アルコール類とジメチルスルホオキシドとの混合溶媒を使用した。アルコール類とジメチルホルムアミドとの混合溶媒と同様、それぞれの溶媒を単独で用いたときよりも、混合溶媒中でのHAp膜生成量が多くなることが認められた。電気泳動で得られた膜は、チタン板との付着状態があまり良好でなく、熱処理などを行なった。真空中、1000°C付近、20〜30kg/cm^2でホットプレスを行なったところ、膜表面近くにCaO層が存在するものの、ビッカース硬度の測定から、焼結度100%に近いHAp層が得られていることがわかった。リン酸カルシウムガラス(CaO/P_2O_5=55/45)をターゲットとして、基板にチタン板を用いて、高周波マグネトスパッタリングを行なった。IR,ESCA,X線回折などの結果から、生成膜は、少量の鎖状リン酸塩を含む、非晶質リン酸カルシウムからなることがわかった。ターゲットのリン酸カルシウムガラスが鎖状のリン酸塩であるので、スパッタリングによりP-O-Pの結合が切断されていることが認められた。生成薄膜を加熱結晶化させると。Ca_4P_2O_9が生成し、この組成は、ESCAによる分析で得たCa/P=1.9にほぼ一致することがわかった。また、ESCAによる薄膜の深さ方向の組成変化の測定結果から、湿式合成粉末HAp、電気泳動後ホットプレスしたHAp膜、スパッタリング膜、炭酸固溶HAp焼結体などの表面付近のCa/P比は、内部のそれとはかなり異なっているものの、炭酸固溶HAp焼結体を除き、5分程度のArエッチングで、一定組成をもつ層が出現することがわかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Umegaki 他: Yogyo-Kyokai-Shi. 95. 770-774 (1987)
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[Publications] 梅垣高士 他: 石膏と石灰. 24-28 (1987)
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[Publications] 金沢教 他: 石膏と石灰. 3-15 (1987)
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[Publications] 梅垣高士 他: 石膏と石灰. 37-41 (1988)
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[Publications] K.Yamashita 他: Soramikkusu Ronbunshi. 96. 616-619 (1988)
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[Publications] T.Umegaki 他: Memoirs Faculty of Technology,Tokyo Metropolitan University. 133-139 (1989)
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[Publications] 金沢教 編(梅垣高士他): "Inorganic Phosphate Materials" Kodansha-Elsevier, 0-289 (1989)