1987 Fiscal Year Annual Research Report
分子性クラスターのミクロポアー内精密設計とアルカンの選択的活性化
Project/Area Number |
62470069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 勝 北海道大学, 触媒研究所, 教授 (70176288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 淳 北海道大学, 触媒研究所, 助手 (80189927)
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Keywords | バイメタルクラスター / ゼオライト担持触媒 / 合成ガス反応 / 含酸素化合物合成 / ヒドロホルミル化反応 / 直鎖状アルコール合成 / 超強酸点の化学設計 |
Research Abstract |
高活性・高選択性の触媒の開発を目的として, 本研究では分子形状選択性を有するミクロポアー内に多核混合金属クラスターを内部合成し, それを触媒前駆体に用いて高度に構造規制された分子性合金及び複合酸化物クラスターの精密設計を試み, 本年度に以下の知見が得られた. 1.水和NaY,NaXゼオライトとFe_2(CO)_9の反応で細孔内に[HFe_3(CO)_<11>]を合成した. ^<57>Feメスバウアー分光解析から細孔内[HFe_3(CO)_1]は室温.空気下で酸化するとFe_2O_3と同様なFe^<3+>として高分散状態にあることがわかった. 次にSO_3処理した酸化試料のメスバウアー解析では, Feの電子状態に大きな変化はないものの粒径が小さくなることが観測された. ピリジン類の吸着におけるFTIRからは細孔内Lー超強酸点に対応する吸収がみられ, ゼオライト細孔内でFeの高分散Lー高強酸点を調製することができたと考えられる. SO.ナ_<3.ニ>処理後の[Fe.ナ_<3.ニ>O.ナ_<x.ニ>]/NaYを用いたブタン骨格異性化反応でイソブタンが生成した. 2.ゼオライト細孔内でのバイメタルクラスターの合成としては, [HFe.ナ_<3.ニ>(CO).ナD211.ニD2]/NaYとRh.ナ_<4.ニ>(CO).ナD212.ニD2の反応でRhFeカルボニルクラスター/NaYが得られた. このRhFeクラスター触媒でのCO水素化反応では, Rh.ナ_<6.ニ>クラスターに比べてC.ナ_<1.ニ>+C.ナ_<2.ニ>アルコール選択率が増加した. プロピレンヒドロホルミル化反応でも高い触媒活性がみられ直鎖アルコール生成に高選択率が得られた. 細孔内に生成したRhFeバイメタル活性点によるCO挿入反応とアルコールへの水素化反応の促進が明からにされた. またゼオライトの空間規制により直鎖体の選択性向上を示した. 以上の他に, 複合イオン交換したRh^<3+>+lr^<3+>/NaYから8面体骨格構造をもつRhlrカルボニルクラスターを初めて合成することができた. 各種分光法による構造解析と触媒特性に関して研究を進めている. 3.ゼオライト細胞内バイメタルクラスターによる光励起下でのアルカンの活性化と直接カルボニル化反応などにつき現在検討中である.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Ling-Fen Rao: Journal of the Chemical Society,Chemical Communications. (1988)
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[Publications] 小杉信博: 触媒. 29. 438-441 (1987)
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[Publications] 市川勝: 触媒. 30. 168-171 (1988)
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[Publications] Atsushi Fukuoka: Inorganic Chemistry. 26. 3643-3645 (1987)
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[Publications] Atsushi Fukuoka: Journal of Chemical Society,Chemical Communications. (1988)