1988 Fiscal Year Annual Research Report
分子性クラスターのミクロボアー内精密設計とアルカンの選択的活性化
Project/Area Number |
62470069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
市川 勝 北海道大学, 触媒研究所, 教授 (70176288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福岡 淳 北海道大学, 触媒研究所, 助手 (80189927)
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Keywords | クラスター / ゼオライト / アルカン活性化 / バイメタル触媒 / 多中心共同効果 / アンサンブル効果 / リガンド効果 / 水素化分解 |
Research Abstract |
今年度は前年度までに得られた結果をもとにして、NaYゼオライト細孔内にカルボニルクラスターRh_6(CO)_<16>、Ir_6(CO)_<16>、Rh_<6-×>Ir_×(CO)_<16>を合成しその構造解析を進めるとともに、これを前駆体にした触媒上でアルカンの水素化分解反応やベンゼン水素化反応を行い、細孔内活性サイルカンの水素化分解反応やベンゼン水素化反応を行い、細孔内活性サイトの構成原子が触媒反応に及ぼす多中心共同効果についてアンサンブル効果・リガンド効果の観点から検討した。すなわち、Rh(III)、Ir(IV)、混合イオン系Rh(III)+Ir(IV)でイオン交換したNaYゼオライトとCO+H_2との反応により、それぞれRh_6(CO)_<16>、Ir_6(CO)_<16>、Rh_<6-x>Ir_x(CO)_<16>(x=1-5)を合成し、その構造をFTIR、EXAFS、^<129>Xe NMRで調べた。その結果、以上のカルボニルクラスターが細孔内に均一に分散し捕捉されていることがわかった。Rh_6(CO)_<16>やIr_6(CO)_<16>などのホモメタルクラスターはもちろんのこと、Rh_4Ir_2(CO)_<16>やRh_3Ir_3(CO)_<16>などのバイメタルクラスターがほぼ単一種として細孔内に生成していることが初めてわかった。これらのカルボニルクラスターを水素還元して調整した触媒上でn-ブタンの水素化分解反応を行うと、反応活性がIr原子のRhクラスター希釈により顕著に減少するアンサンブル効果が観測された。このようなアンサンブル効果はエタン水素化分解反応でもみられた。n-ブタン水素化分解反応における生成物選択率をみると、RhIrクラスター触媒では、中央C-C結合切断の選択率が高くなりエタン生成が増大することがわかった。他方ベンゼン水素化反応はクラスター構造に対して構造不敏感であった。来年度はこれまでの結果をもとにゼオライトC-C結合などのミクロポアー内のRhFe、RhIrカルボニルクラスターの構造解析を進め、エタン、ブタンなどアルカン分子の選択的なC-H結合活性化を試みるとともに3年間の研究を総括し、今後の触媒設計のための指針を立てる。
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[Publications] M.Ichikawa: Faraday Discuss.Chem.Soc.87. (1989)
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[Publications] 饒凌芬: 触媒. 31. 64-67 (1989)
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[Publications] 福岡淳: 日本化学会誌. 1989. (561-568)
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[Publications] L.Rao: Proc.Int.Syn.Acid-Base catal.(Sapporo). 341-340 (1989)
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[Publications] L.Rao: J.Chem.Soc.,Chem.Commun.458-460 (1988)
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[Publications] M.Ichikawa: POLYHEDRON. Vol.7,No.22/23. pp.2351-2367 (1988)