1987 Fiscal Year Annual Research Report
分子性・結晶性複合酸化物による触媒設計のための基礎工学研究
Project/Area Number |
62470070
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
御園生 誠 , 工学部, 教授 (20011059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 精一郎 , 工学部, 助教授 (20011017)
水野 哲孝 , 工学部, 助手 (50181904)
奥原 敏夫 , 工学部, 助教授 (40133095)
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Keywords | 分子性・結晶性複合酸化物 / 触媒構造 / ヘテロポリ酸 / ペロブスカイト / 擬液相 / 固体NMR |
Research Abstract |
我々は,(1)バルク構造が規定でき,(2)物性の系統的制御の可能な,(3)分子性・結晶性複合酸化物という特徴を有するヘテロポリ化合物,ペロブスカイトをとり上げ,触媒構造・物性と触媒作用の関連,薄膜化による高機能化等触媒設計のための基礎工学的検討を加え,以下の成果を得た. 〔1〕ヘテロポリ酸"擬液相"のin situ観測;擬液相中の分子の活性化状態をFTーIR,固体NMR法で追跡した. 擬液相中の活制点であるプロトンは,水や反応分子であるアルコールが存在すると,これらに結合しており,分子がないときは,アニオン中の架橋型酸素に結合している. 固体NMRによりプロトン化アルコール(モノマー,ダイマー種)の存在が確認できた. さらに,オレフィン生成の中間体であるアルキルカチオンを直接検知できた. 〔2〕ヘテロポリ酸の酸化触媒設計;アセトアルデヒドから酢酸への酸化をモデル反応として,酸化カ・酸性制御による触媒設計を検討した. 対カチオンをアルカリ置換することによ 酸性・酸化カ変化と選択性との関連から,選択性向上には,酸性を抑制し酸化力を高めることが重要であることがわかった. この指針に従いVを混合配位することで,酢酸を選択的に得ることができた. 〔3〕ペロブスカイト薄膜の合成と触媒特性;燃焼用触媒としてすぐれた機能を示すペロブスカイトの高活性化を目的として,薄膜化担持を検討した. LaCoO.ナ_<3.ニ>を湿式法で各種担体上に担持したところ,担体としてZrO.ナ_<2.ニ>が圧倒的にすぐれていることを見出した. そこで,ZrO.ナ_<2.ニ>上のLaCoO.ナ_<3.ニ>を表面化学的手法(XPS,TEM,SEM,吸着法)で総合的に解析した結果,LaCoO.ナ_<3.ニ>単分子層が,ZrO.ナ_<2.ニ>表面をほぼ均一に,超薄膜としておおっていることが,明らかとなった.
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[Publications] Makoto.Misono: Materials Chemistry and Physics.1987,2). 103-120
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[Publications] Noritaka.Mizuno: Chemistry Letters.1195-1198 (1987)
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[Publications] Makoto.Misono: J.AM.Chem.Soc.,. 109. 5535-5536 (1987)
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[Publications] Makoto.Misono: Catal.Rev.Sci.Eng.29(2&3). 269-321 (1987)
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[Publications] Yuji.Kanda: Chemistry Letters.139-142 (1988)
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[Publications] Koichi.Miyamoto: Chemistry Letters.303-306 (1988)