1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470073
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
曽我 和雄 東京工業大学, 資源化学研究所, 教授 (10026180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩野 毅 東京工業大学, 資源化学研究所, 助手 (10170846)
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Keywords | チグラー・ナッタ触媒 / アルキルTi化合物 / 高立体特異性触媒 / 重合活性種 / 触媒の単純化 / 触媒の開発 |
Research Abstract |
通常のチグラー・ナッタ触媒は多成分系から成り,かつ反応性の著しく高いアルキルAl化合物を共触媒に用いているため,重合活性種の研究には向かない. 我々は,アルキルAl化合物の代りに,アルキルTi化合物を用いることにより,本質的にはTiのみから成る重合触媒を開発した. この触媒は,オレフィン重合における選択性,即ち,立体特異性を向上させるために従来不可欠とされたルイス塩基を一切併用することなく,極めて高い立体特異性を有するポリオレフィンを与えることが実証された. これにより,オレフィン重合触媒は著しく単純化され,最難関研究テーマの一つと考えられた重合活性種の同定が可能となりつつある. 本年度の研究においては,この新しい触媒系の開発とその高性能化に力点を置いた. その結果,上述のように,触媒系が極めて単純化されているにもかかわらず,従来の工業触媒より選択性が高く,しかもそれらと同程度の重合活性を示す触媒系を得ることができた. また,従来の触媒には,Tiの酸化数や立体特異性の異なる数種の活性種が混在しているのに対し,この触媒の活性種は均質化していることも明らかになった. この特性を利用すると,高性能なオレフィン共重合体やオレフィンとスチレンの共重合体等をも合成できることがわかった. 次年度は,重合活性種の解明に向けて研究をすすめる予定である. 重合活性種が解明されれば,理想的な触媒の分子設計は自在となる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuo Soga;Hisayoshi Yanagihara: Makromol.Chem.,Rapid Commun.8. 273-276 (1987)
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[Publications] Kazuo Soga;Takeshi Shiono;Shinji Takemura;Walter Kaminsky: Makromol.Chem.,Rapid Commun.8. 305-310 (1987)
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[Publications] Kazuo Soga: Sekiyu Gakkaishi. 30. 359-368 (1987)
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[Publications] Kazuo Soga;Hisayoshi Yanagihara: Makromol.Chem.,Rapid Commun.
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[Publications] Kazuo Soga;Dong-ho Lee;Hisayoshi Yanagihara: Makromol.Chem.,Rapid Commun.
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[Publications] Kazuo Soga;Chung-Heng Yu;Takeshi Shiono: Makromol.Chem.