1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470075
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
泉 有亮 名古屋大学, 工学部, 教授 (00115528)
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Keywords | ヘテロポリ化合物 / 遷移金属錯体 / フリーデルークラフツ反応 / カルボニル化反応 |
Research Abstract |
1.担持ヘテロポリ酸の液相非極性反応媒体中における酸塩基触媒作用 (1)担持ヘテロポリ酸による非極性媒体中での芳香族炭化水素とアシルハライドのFriedel-Crafts反応を検討した。 (2)塩化ベンゾイルによるPーキシレンのアシル化において、シリカ担持モリブドリン酸触媒は高い活性を示すが、ヘテロポリ酸の溶出と分解が認められた。これに反し、シリカ担持タングストリン酸及びタングストケイ酸触媒は溶出・分解を伴うことなく高活性を持続した。通常のプロトン酸触媒にはこのようなFriedel-Crafts活性が認められず、Koggin型タングステン系ヘテロポリ酸特有の新しい分子触媒機能であることが明らかになった。 (3)シリカ担持タングステン系ヘテロポリ酸はカルボン酸無水物によるアシル化に対しても有効に機能した。 2.ヘテロポリアニオンによる遷移金属錯体の修飾と触媒作用 (1)Pd錯体による1ーヘキセンのメトキシカルボニル化において、モリブデートのような単純な酸素酸アニオンとは全く異なり、ヘテロポリアニオンが反応を加速し直鎖エステルの選択性を高める電子的・立体的修飾機能を示すことを既に報告した。本年度は、最適合成条件について検討した。 (2)Pd錯体ーヘテロポリ酸(PdCl_2(PPh_3)_2ーH_3PMo_<12>O_<40>)系について、CO圧力の影響と水の共存効果について検討した。反応速度はCO圧力に一次に比例した。水の共存は反応活性ならびに直鎖エステル選択性に大きく影響し、最適量は水/ヘテロポリアニオン(モル比)=20であった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 泉有亮: 触媒. 30. 583-589 (1988)
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[Publications] Yusuke Izumi: Bull.Chem.Soc.Jpn.(1989)
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[Publications] 泉有亮: 日本化学会誌. (1989)
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[Publications] 泉有亮: 日本化学会誌. (1989)