1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470076
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
乾 智行 京都大学, 工学部, 教授 (60025989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 正志 京都大学, 工学部, 助手 (30151624)
久住 真 京都大学, 工学部, 助教授 (70025980)
宮本 明 京都大学, 工学部, 助教授 (50093076)
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Keywords | メタノール変換 / オレフォン合成 / 鉄ーシリケート触媒 / シリコアルミノフォスフェート触媒 / セラミックフォーム担持触媒 |
Research Abstract |
初年度までに、酸素10員環が細孔口径を形成するペンタシル型ゼオライトの骨格中のアルミニウムを結晶化段階で鉄族金属に取り換えたいわゆるメタロシリケート触媒が、300℃付近の低温度域で、メタノールを高い選択率で低級オレフィンに転化できることを明らかにしたが、今年度はこの触媒性能の顕著な差異をさらに詳細に検討し、酸性質の差、2価の鉄塩を3価の鉄塩を用いて合成したときの性質の差、鉄をニッケルやコバルトに替えたときの差などを明らかにした。 本年度は、メタロシリケートのほかに、ゼオライト類似の細孔構造を有することが明らかにされたアルミノアォスフェート類に、シリコン成分を導入して固体酸性を附与したシリコアルミノフォスフェート(SAPO)を合成した。とくにメタノールから低級オレフィンを生成しやすいことで知られるゼオライトであるシャバサイトやエリオナイトに類似の細孔構造をもつSAPOー34やSAPOー17を固有の迅速結晶化法で合成した。予想通り、これらのミクロ多孔性結晶もメタロシリケートに劣らぬ選択率で低級オレフィンを生成したが、メタロシリケート触媒に比べるとコーク生成による劣化が比較的速やかとなる欠点が認められた。これは、SAPO結晶の細孔構造がメタロシリケートに比べ複雑かつ狭少であるため、結晶内拡散抵抗が少さいことによると認められた。そこでこの欠点を補うため、SAPOー34に合成段階で鉄やニッケルを加えて結晶格子に取り込む方法で高分散保持させた結果、劣化の速度は著しく緩和された。これは、メタノール分子中の酸素原子が、これら金属種を経由してコークに対し酸化燃焼作用を呈することによると考えられ、性能向上に有効である。 反応熱をよく伝達させ、かつ結晶触媒の成型による触媒性質の欠損を避けるため、泡状空孔を有するセラミックフォーム表面上に直接ペンタシル型ゼオライトを合成被覆することを試み、これに成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 乾智行,松田洋和 他: Applied Catalysis. 1989.
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[Publications] 乾智行,長田秀夫 他: Applied Catalysis. 1989.
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[Publications] 乾智行・スポット・パタナスリ 他: Applied Catalysis.
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[Publications] 乾智行・野中誠治 他: Applied Catalysis.