1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470086
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大城 芳樹 大阪大学, 工学部, 教授 (70028984)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 満男 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029197)
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Keywords | ピリジン / エチニルピリジン / 複素環合成 / ビシクロ化 / インドリジン |
Research Abstract |
多官能ピリジン系複素環は高機能性物質やその合成原料として重要であり、ピリジン環への効率的な官能基導入法および官能基を活用する化学変換法の開発が切望されている。このような観点から本研究では前年度に開発したエチニル基導入法を活用し、エチニルピリジンの官能基変換を展開し、以下のような種々の多官能ビシクロピリジン類の新合成ルートを多数開発することができた。 1.エチニル基を水和して容易に得られた3ーアセチルー2ーフェナシルピリジンを塩基性条件下でアルドール縮合させることにより、効率よく5ーキノリノール誘導体に変換できることを見出した。 2.3位にメトキシカルボニル基を有するエチニルピリジンを塩基条件下で加水分解するとニコチン酸誘導体が合成でき、さらに分子内付加によってピラノピリジン環に導けることを明らかにした。 3.3位にアセチル基またはシアノ基を有するエチニルピリジンの塩基処理により、それぞれフロピリジン、ピロロピリジンに変換する方法を確立した。本法は側鎖にアルキリデン基を有するビシクロピリジンの簡便な合成法となる。条件をさらに厳しくすることによりピロロピリジンから水酸基をもつフロピリジンが合成できることも明らかにした。 4.エチニルピリジンとアセチレンジカルボン酸ジメチルとの反応によるインドリジン環の新合成法を開発した。本反応では溶媒の違いによって生成物が異なるという興味ある事実も見出した。アセチル基のような反応性置換基を有するエチニルピリジンにも本反応は適用が可能で、広範なインドリジン系化合物の合成に応用できる。 以上のように多数のビシクロ化法を見出したが、得られたビシクロピリジンは官能性置換基を有するためさらに変換が可能であり、合成中間体としても有用である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Ohshiro;et al.: 投稿中(Chem.Lett.).
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[Publications] Y.Ohshiro;et al.: Tetrahedron Lett.
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[Publications] Y.Ohshiro;et al.: Synthesis.
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[Publications] Y.Ohshiro;et al.: J.Org.Chem.