1987 Fiscal Year Annual Research Report
結晶性高分子鎖を含むブロック共重合体のミクロ構造の研究
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62470092
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
芦田 玉一 名古屋大学, 工学部, 教授 (10029936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野島 修一 名古屋大学, 工学部, 助手 (20156194)
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Keywords | ブロック共重合体 / 結晶化 / ミクロ相分離 / X線小角散乱 / 相互作用パラメーター |
Research Abstract |
本年度の研究計画はほぼ達成することができたと考えられる. 以下研究実績を研究実施計画に従って箇条書きする. 1.位置敏感型X線計数装置(PSPC)の設置, 本年度購入したPSPCを既存の回転対陰極X線発生装置にとりつけ,稼動状態にした. 又,試料の温度制御,検出ができるように試料槽等を新しく試作し,稼動状態にした. 2.X線散乱強度測定,データ処理のためのソフトウェアのテスト. X線散乱強度測定と各種補正に必要な数多くのソフトウェアを製作しテストした. この装置を用いると従来のカウンター方式X線小角散乱法に比べ測定時間が1/100程度に短縮され,高温での測が可能であることがわかった. 3.ブロック共重合体の合成. 合成に必要な真空ラインを整備し稼動状態にした. 現在ブロック共重合体を合成中である. 消耗品貢はここで使用された. 4.各種パラメーターの決定. ポリスチレン(非晶性)/ポリ(εーカプロラクトン)・(結晶性)ポリマーブレンド系を用いて1で購入したPSPC装置を用いて成分間の相互作用パラメーターを種々の温度,組成で決定した. この結果本系がブロック鎖の結晶化とミクロ相分離により出現する多相構造の研究に適している事が明らかとなった. 又, 相互作用パラメーターの大きさよりミクロ構造を特徴づける種々のパラメーターを予想することができ,今後の研究(ブロック共重合体の合成)に不可欠な指標を与えた. 5.結晶化とミクロ相分離による多相構造の決定. 次年度の中心的研究課題であり,種々の分子量,ブロック比を持つ共重合体について,1.の装置を用いてX線小角散乱強度を測定する予定である. 本年度はさらにポリマーブレンド中の結晶性高分子の結晶化によるミクロ構造を理解するために,光学顕微鏡によりそのミクロ構造を観察,評価した.
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