1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
三枝 武夫 京都大学, 工学部, 教授 (80025824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 将人 京都大学, 工学部, 助手 (20179253)
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Keywords | 開環重合 / パラジウム触媒 / πーアリル錯体 / ビニルシクロプロパン |
Research Abstract |
当初の予定どおり, まず2つのエステル基を持つビニルシクロプロパン誘導体1のパラジウム触媒による開環重合反応について詳細に検討した. 開始剤の効果, 反応溶媒の影響, 触媒の配位子(ホスティン)の影響等について調べたが, その結果, 本研究の新規重合反応の基本的なスコープを確立するこができた. 典型的な反応条件な, 触媒としてpd.ナ_<2.ニ>(dba).ナ_<3.ニ>・CHCl.ナ_<3.ニ>(dba:ジベンジリデンアセトン)(0.5モル%), その配位子としてジフェニルナホスフィノエタン(dppe)(1モル%),開始剤としてジエチルマロネート(5モル%,いずれも1に対するモル比)を加え, アセトニトリル中, 室温24時間で行なった(ポリマーの収率51%). 開始剤としては, アミン類, アセチルアセトン等も有効ではあるが, いずれも重合体の収率が30%程度と低かった. 溶媒としてはアセトニトリル以外にDMSOも使用可能であったがTHF, トルエン中では重合体を得ることはできなかった. 配位子としてはdppe等の二座配位子を加えると触媒は活性を示したが, トリフェニルホスフィン等の単離配位子は有効ではなかった. 重合反応の機構を下のスキームに示すが, この重合反応は, パラジウムπーアリル錯体を中間体とし, 形式的には, 重合末端の活性水素が次から次へと移動しながら重合が進行するといういままでになら全く新しいタイプの重合反応である. エステル基以外にシアノ基で活性化されたビニルシクロプロパンも同様の重合反応を行なった. 来年度以降, さらに, 同様の反応をすると期待される他の環状モノマーについても探索を行なって行く.
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[Publications] 鈴木将人: Polymer Preprints,Japan(高分子学会予稿集). 36. 285-285 (1987)
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[Publications] 鈴木将人: Polymer Preprints,Japan(高分子学会予稿集). 36. 1520-1522 (1987)