1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62470109
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊藤 龍象 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (10025869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 義朗 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (30093371)
平田 雄志 大阪大学, 基礎工学部, 講師 (90029512)
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Keywords | 等電点電気泳動 / 連続分離操作 / 垂直平行平板型装置 / 酢酸緩衝液 / 泳動場の解析 |
Research Abstract |
平行平板型電気泳動装置を用いて蛋白質を連続的に分離するため、水平型装置を試作して実験を行った。この場合、操作の初期段階で電流の変動が観測された。これは泳動液のイオン強度の分布による不安定な密度勾配に基づく攪乱によるものと考えられる。そこで安定な密度勾配を形成させるため、垂直型装置に改造して実験を行った。この場合、電場の方向を水平に設定すると、水平型と同様密度勾配による不安定流動を引き起こすことになるので、電場の方向は重力と平行に垂直とし、下方にイオン強度の高い陽極液を配置した。その結果、電流の変化は立ち上げの数十秒を除いて殆どなく、流体の攪乱は抑制できたと考えられる。この系で泳動部中央に設けたサンプリング管より一定時間ごとに数滴の液を採取し、そのpH変化により定常状態を確認した後、定常状態のpH分布を測定した。その結果、安定なpH分布が形成され、自由溶液系で連続操作を行う場合には泳動液の密度勾配による安定条件を満足させることが重要であることが立証された。 緩衝液には酢酸ー酢酸ソーダ系を用いたが、通常の緩衝液としては無関係イオンを含まない。しかし、電気泳動場では陰極近傍のイオン強度が陽極近傍に比して極めて低く、pHの変化が層中央部に局在する結果となった。そのため無関係塩としてNaClを添加して、イオン強度を平均化することを試みた。 一方、NaClを添加した場合を含めて、酢酸ー酢酸ソーダ系緩衝液の各イオンの濃度分布を解析し、等電点電気泳動による分離場の設計に対する指針を明らかにした。また、同様の解析法は2段に解離するグリシン緩衝液系にも適用できることを示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 伊藤龍象: 化学工学協会第20回秋季大会講演要旨集. 20. 41 (1987)
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[Publications] 伊藤龍象: 化学工学論文集. 14. 281-287 (1988)
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[Publications] 伊藤龍象: International Chemical Engineering. 29. (1989)
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[Publications] 伊藤龍象: ケミカルエンジニヤリング. 33. 17-22 (1988)
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[Publications] 伊藤龍象: 化学工学協会第21回秋季大会講演要旨集. 21. 193 (1988)
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[Publications] 伊藤龍象: 化学工学論文集.