1987 Fiscal Year Annual Research Report
瀘過型培養槽を用いる遺伝子組換え菌の二段階培養と好気性菌用バイオリアクターの開発
Project/Area Number |
62470112
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 猛 名古屋大学, 工学部, 教授 (10043324)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯島 信司 名古屋大学, 工学部, 助教授 (00168056)
|
Keywords | 遺伝子組換え / 瀘過型培養 / 二段階培養 / バイオリアクター / トリプトファンプロモーター / 乳酸菌 |
Research Abstract |
1.トリプトファンプロモーターからの遺伝子発現は培地中にトリプトファンが存在すると抑制され, 逆にトリプトファン非存在下では爆発的に起る. この性質を利用して遺伝子組換え菌における遺伝子産物の効率的生産を行なった. まず, トリプトファンプロモーターにβーガラクトシダーゼ遺伝子を連結したプラスミドを大腸菌に導入した. この大腸菌を最初はトリプトファンを含む培地で高菌体濃度まで培養した. トリプトファンが存在するので, 大腸菌が生合成によって作り出すエネルギーの大部分は増殖に使われ, 比較的短時間で高菌体濃度になる. つづいて十字流瀘過によって培地を入れかえ, トリプトファンを除去した. このような二段階培養によって, βーガラクトシダーゼの効率的な生産が可能な事を示した. 2.抑制型phoプロモーターはトリプトファンプロモーターと類似の機構により, 培地中のリン酸により発現制御をうける. そこで,phoプロモーターにβーガラクトシダーゼ遺伝子を連結したプラスミドを酵母に導入した. この酵母をリン酸存在下で高菌体濃度まで培養した後, 十字流瀘過によって培地を入れかえ, リン酸を除去することにより, 大変効率よく遺伝子産物の生産が酵母でも可能なことを明らかにした. さらに, 同様のシステムが大腸菌でも可能なことを実証した. 3.乳酸菌を瀘過型養槽を用いて長期間培養するためには, 阻害的生成物である乳酸が高濃度にならないように制御する必要がある. また, 瀘過流束が低下しない程度に菌体濃度の制御も必要となる. この両者を適切に制御することによって, 乳酸菌の連続生産が効率よく行ないうることを示した.
|
-
[Publications] Shinji Iijima: Applied Microbiology and Biotechnology. 26(6). 542-545 (1987)
-
[Publications] Enhao Wang: Journal of Chemical Engineering of Japan. 21(1). 36-40 (1988)
-
[Publications] Kazuyuki Shimizu: Journal of Chemical Engineering of Japan. 21(2). 113-117 (1988)