1988 Fiscal Year Annual Research Report
動物の遺伝子発現制御に関与するクロマチンタンパク質の精製と機能特性の研究
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62470117
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
水野 重樹 東北大学, 農学部, 教授 (90112903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 弘章 東北大学, 農学部, 助手 (50005633)
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Keywords | フィブロインL鎖、H鎖遺伝子 / カイコ / 中部、後部絹系腺 / 塩基配列特異的結合タンパク質 / W-protein / ニワトリ / W染色体 / 湾曲反復DNA |
Research Abstract |
1.カイコのフィブロインL鎖遺伝子の5′上流域の特定塩基配列に結合するタンパク質因子の研究 第14番染色体のフィブロインL鎖遺伝子と第25染色体のフィブロインH鎖遺伝子の同調的発現制御に関わると考えられる、両遺伝子の5′上流域の共通性の高い配列への結合タンパク質の研究を進めた。特にL鎖遺伝子の5′上流-329〜-266の配列に対しては後部絹系腺特異的因子と後部、中部両絹系腺に共通の因子が結合することをゲルリターデーション法によって示した。これらの因子は絹系腺からの単離核の0.5MNのCl抽出画分に含まれ、現在Dnaseiフィットプロント法で結合部位を特定すること、DNAアフィニティーカラムで精製することを目視している。 2.湾曲反復配列に結合するW-proteinのDNA結合様式の研究 ニワトリのW染色体DNAの約50%を占めるXhoiファミリー反復配列のXhoi0.7kb反復単位は約21bpの基本単位が縦列重複した構造を有し、ポリアクルアミドゲル電気泳動で異常に遅い移動度を示すことから湾曲したDNA断片であると考えられている。W-proteinはこの反復単位に高親和性結合する分子量約72000のタンパク質でニワトリ貯蔵の核から精製された。未変性状態ではW-proteinは約30分子からなる会合体を形成している。Dnaseiフィットプロント法で調べた結果、結合部位は0.7kb反復単位の全域にわたり、約21bpの基本単位中に2カ所ずつ存在した。これらの部位はA-Tクラスターに担当し、これらのクラスターがDNA2重らせんのマイナーグルーブに位置してW-proteinにDNAが巻きつく形をとることが推定された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 原田昌彦: RADIOISOTOPES. 37. 243-253 (1988)
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[Publications] Masahiko,Harata: J.Bilogical Chemistry. 263. 13952-13961 (1988)
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[Publications] 大場義樹: "クロマチン実験法" 学会出版センター, 1-365 (1988)