1989 Fiscal Year Annual Research Report
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62470131
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鍵谷 勤 京都大学, 工学部, 教授 (00025826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 文章 京都大学, 工学部, 助手 (80176924)
西本 清一 京都大学, 工学部, 助教授 (10115909)
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Keywords | 放射線防護剤 / DNA / 核酸塩基 / リポアミド誘導体 / 酸素増感比 / 薬物動態 |
Research Abstract |
放射線治療あるいは放射線被暴環境下における防護剤を開発するために、生体構成物質であるDNAあるいは核酸塩基の放射線化学反応系における防護剤の性能とin vitro培養細胞系における活性の相関を調べ、下記の成果を得た。 1.N,N-ジエチル-α-リポアミドなど、6種類のリポアミド誘導体を合成し、チミン水溶液の放射線分解に及ぼすこれら誘導体の添加効果を調べた。リポアミド誘導体を添加(0.1mM、チミンの1/5量)することにより、チミン分解のG値はN_2雰囲気下で14〜55%に、空気雰囲気下で72〜90%に減少した。また、チミングリコ-ル生成のG値はN_2雰囲気下で31〜63%に減少したが、空気雰囲気下における減少率の最高値は無添加系の76%であり、まったく抑制効果を示さないものもあった。 2.in vitro培養細胞系におけるリポアミド誘導体の効果を調べた。空気雰囲気下における無添加時の酸素増感比は2.31であったのに対し、リポアミド誘導体添加(1mM)時には、1.97〜2.31に変化し、明らかに防護活性を有するものが見いだされた。 3.チミン水溶液系およびin vitro培養細胞系における防護活性の間には一定の相関が認められ、放射線化学反応論的見地から、防護剤のスクリ-ニングが可能であることを明らかにした。 4.チオアミド基を側鎖にもつN,-置換-1,2,4-トリアゾ-ルをマウスに静脈注射した後の薬物動態を調べた結果、このものは血中で代謝され難く、長時間(2時間以上)一定濃度に保持されるという特性を示した。現在、マウスを用いたin vivo活性を調べている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Tsutomu Kagiya: "A Physicochemical Aspect of Radioprotection and Sensitized Cancer Radiotherapy" Free Radi.Res.Comm.6. 191-194 (1989)
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[Publications] 鍵谷勤: "放射線治療とフリ-ラジカル" KARKINOS. 3. 205-214 (1990)