1988 Fiscal Year Annual Research Report
デスルホビブリオに存在する高分子量チトクロムの機能と立体構造
Project/Area Number |
62470144
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Research Institution | Himeji Institute of Technology |
Principal Investigator |
安岡 則武 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 教授 (40029054)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 幸生 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 助手 (80200450)
樋口 芳樹 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 講師 (90183574)
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Keywords | 硫酸還元菌 / X線解析 / 高分子量チトクロム / チトクロムC_<553> |
Research Abstract |
1。D.V.Hildenboroughの菌体を大量培養し、高分子量チトクロムの精製・結晶化の方法を確立した。X線回折析に適した結晶を得ることができ、オシレーションカメラによりデータを測定し、解析計算を行っている。 2。D.V.Miyazaki Fのヒドロゲナーゼの結晶を得る方法を確立し、多波長異常分散法を利用する構造解析を行った。高エネルギー研放射光実験私設において、巨大分子用ワイセンベルグカメラを用い、イメージングプレート上に記録したX線回析データを処理した。 1.736 A,1.743 A,1.388 A,1.20 Aの4つの波長において測定したが、これらのデータをマージするとき、ローカルスケーリングを行うと有効であることが分かった。1.743 Aと1.20 Aの回析データの差のパターソン関数において、ハーカーの断面に、つじつまの合うピークが見出され、これより、鉄-イオウ クラスターの位置を求めることができた。他の波長での測定データからこれらの位置を確認したのち、位相決定-構造解析へと進む。 3。チトクロムC_<553>(D.V.Miyazaki F)の構造解析を行った。79個のアミノ酸で1個のヘムをもつが、この鉄原子の異常分散を利用して位相決定を行うことができた。データ利用した波長は1.040 A,1.380 A,1,743 A,1,746 Aである。これらの差のパターソン関数から鉄原子の座標を求め、各反射の位相を決定し電子密度分布を算出した。ペプチド鎖を容易にたどることができ、分子モデルを構築することができた。精密化を続行している。C端とN端にヘリックスがあり、これは、多くのC型チトクロムと類似している。他に2ケ所短いヘリックスがあり、これらの位置やヘムとの関係がPseudomona saeruginosa のチトクロムC_<551>やazotobacter VinelandliのチトクロムC_5と異なっている。これらの構造にもとずいて機能との相関や分子進化について考察した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Y.Higuchi/Y.Morimoto/A.Horinaka/N.Yasuoka: J.Biochem. 103. 905-906 (1988)
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[Publications] Y.Morimoto/Y.Higuchi/K.Wakamatsu/K.Oshima/K.Utimoto/N.Yasuoka: Bull.Chem.Soc.Jpn.Vol.62 No.2. 639-641 (1989)