1988 Fiscal Year Annual Research Report
チトクロムbc_1並びにb_6/f複合体の分子構築
Project/Area Number |
62470148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松原 央 大阪大学, 理学部, 教授 (00028242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 信也 姫路工業大学, 工学基礎研究所, 教授 (40068119)
高橋 康弘 大阪大学, 理学部, 助手 (10154874)
若林 貞夫 大阪大学, 理学部, 助手 (80148436)
福山 恵一 大阪大学, 理学部, 講師 (80032283)
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Keywords | チトクロムbc_1 / チトクロムb_6 / f / ユーグレナC_1 / C_1全構造 / チトクロム酸化酵素 |
Research Abstract |
ウシ心筋ミトコンドリアのチトクロムbc_1複合体の新しい単離精製法を開発した。從来法に比べ可溶化の時に蛋白濃度を高くし、冷凍操作を省くことにより時間短縮に成功し、合算3日で完了することができた。このものはSDS-PAGEで他のものと本質的に変らず、硫安やPEGによる結晶化に用いることができた。チトクロムc_1複合体はこれより単離可能であったが良好な結晶はえられなかった。前年度につづいてユーグレナのチトクロムc_1のヘム結合様式が異常であることを確認するため、ユーグレナのポリA^+RNAからcDNA発現ライブラリーを作成し、ユーグレナのチトクロムc_1に対する抗体を用いて対応するDNA画分を選別した。その中で872塩基対からなるcDNAのクローンの単離ができ、それが243アミノ酸残基から成る成熟c_1をコードするものであることを確認できた。そしてこのものが異常なヘム結合様式を示す部分に-F-A-P-C-H-なる配列をもつことを確認し、蛋白質の構造決定からの予測と一致した。即ち普通のC型ヘム結合様式ではFがCである。またこの全一次構造の決定により他のc_1の構造との比較も可能となり、チトクロムCとの反応に必須とされる2つの負電荷部位、C末端部の膜結合部位はユーグレナc_1でも保存されていた。從って進化的考察も行えることとなりユニークな位置を占めることも判った。一方藍藻より単離したb_6/f複合体はチトクロム酸化酵素に電子をわたすことにより呼吸を行うことを示唆したが、その時の中間電子伝達体としてチトクロムC553が関与するらしいことを示すことができた。C550は関与しない。これらのことから暗所では藍藻はNAD(P)Hよりb_6/fを経てC553、そしてチトクロム酸化酵素へと電子をわたし酸素を水に変えていることが判明した。本年は酵母C_1の変異に進展がなかった。
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Research Products
(9 results)
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[Publications] K.Mukai: Proc.Japan Acad.64. 41-44 (1988)
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[Publications] 中井正人: 生体の科学. 39. 575-578 (1988)
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[Publications] Y.Minami: Plant and Cell Physiol.30. 91-98 (1989)
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[Publications] K.Mukai: Eur.J.Biochem.178. 649-656 (1989)
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[Publications] K.Mukai: J.Biochem.(1989)
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[Publications] Y.Minami: Plant and Cell Physiol.(1989)
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[Publications] K.Mukai: Eur.J.Biochem.178. 649-656 (1989)
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[Publications] Y.Minami: Plant and Cell Physio.
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[Publications] H.Matsubara: "Methods in Enzymology" Academic Press,Inc., 387-410 (1988)