1988 Fiscal Year Annual Research Report
単細胞増殖系における一年生少染色体植物の遺伝子型および染色体型の伝達性の研究。
Project/Area Number |
62480002
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
田中 隆莊 広島大学, 理学部, 教授 (00033796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 研至 広島大学, 理学部, 講師 (10163627)
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Keywords | 凍結保存 / 苗条原基 / ハプロパップス / DMSO / FDA染色法 |
Research Abstract |
ハプロパップスの苗条原基を用いて、前年度に報告した凍結保存法を更に改良した。この方法を少染色体植物(5種類)、キク科植物(4種類)の苗条原基へ実施し、好結果を得ている。改良された凍結保存法は以下のとおりである。継代培養中の苗条原基集塊を約2mmの小塊に分割し、0.5Mソルビトール添加培地中で2日間前培養し、O℃の恒温槽中で凍害防御剤DMSOを添加していき最終的に0.5Mソルビトール+10%DMSO濃度とした。1.5時間後に、プログラムフリーザーに移して、-40℃まで-0.5℃/分の冷却速度で予備凍結を行い、直ちに液体窒素中に保存する。融解は凍結保存苗条原基を37℃の恒温槽中に入れ急速融解し、触害防御剤を段階的に加えて希釈し、最終的にもとの培地にもどす。回復培養に移して新しく回復してきた苗条原基は、親植物と同一の染色体型を維持しており、親植物と同一の植物体に分化した。現在、4カ月間凍結保存している苗条原基について再生が確かめられている。生存率に関しては前年度に報告した約30%から約90%に向上して、この点に関しては一応の目処がたった。 本年度はこの苗条原基の凍結保存の生存率を高めることに重点を置いていたので、単細胞の凍結保存に関してはまだ十分な結果が得られていない。単細胞増殖系の凍結保存は苗条原基集塊の場合と同一の方法で行い、FDA蛍光染色によって生存活性を見た。観察した細胞のうち約10%の活性が確認されている。さらに率を高めていくことが必要で、これに加えて増殖、苗条原基への回復、植物体への再分化についても確かめていくことが今後の問題として残されている。
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Research Products
(1 results)