1987 Fiscal Year Annual Research Report
オーキシン結合蛋白質に親和性を有するRNAポリメラーゼに関する研究
Project/Area Number |
62480008
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
酒井 愼吾 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60033388)
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Keywords | RNAポリメラーゼ / オーキシン結合蛋白質 |
Research Abstract |
黄化ヤエナリから単離・精製したオーキシン結合蛋白質(ABPーI)をCNBrー活性化セファロース4Bに結合させて,アフィニティーカラムを調整した. 次に,黄化ヤエナリからクロマチン画分を調整し,2M NaClを含む10mMTnsーHCl緩衝液に懸濁して,4℃で1晩振盪して核蛋白質の可溶化を行った. 遠心分離をして上清を得て,10mMTrisーHCl緩衝液に1晩透析した. 透析中に沈澱が生じるのでこれを遠心分離して除き,可溶性画分を得た. この可溶性画分をABPーI結合セファロース4Bアティニティーカラムかけ,緩衝液で十分洗浄後,カラムの保持された蛋白質を1MNaClを含む緩衝液で溶出した. 溶出画分には高いRNAポリメラーゼ活性が見出されたので,この画分をMonoQカラムにかけ部分精製した. 0.25M硫安で溶出されるピークにRNAポリメラーゼ活性が見出されたので,この画分を用いてその性質を調べた. ABPーIに親和性を有するRNAポリメラーゼの分子量は約50万で,その活性発現はDNA依存性であり,4種類のヌクレオチド及びMg^<2+>,Mn^<2+>を必要とした. また,αーアマニチン(10μg/ml)で約60%の活性阻害を受けた. これらの結果から,ABPーIに親和性を有するRNAポリメラーゼは,RNAポリメラーゼーIIである可能性が高くなった. 現在,このRNAポリメラーゼをさらに精製しているところであり,精製が完了した時点で,その酵素学的,蛋白化学的性質を明らかにする予定である.
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