1988 Fiscal Year Annual Research Report
オーキシン結合蛋白質に親和性を有するRNAポリメラーゼに関する研究
Project/Area Number |
62480008
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
酒井 愼吾 埼玉大学, 理学部, 助教授 (60033388)
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Keywords | 遺伝子発現 / オーキシン結合蛋白質 / RNAポリメラーゼII |
Research Abstract |
黄化ヤエナリ芽生えから調整した単離核から、可溶性蛋白質画分を得て、momoQカラムにより分離した。硫安濃度0.1M付近にα-アマニチンによって阻害されないRNAポリメラーゼII活性が溶出された。このRNAポリメラーゼIIを何とか精製して、オーキシン結合蛋白質-Iに対する親和性を調べようとしたが、この活性は非常に不安定なため、精製できなかった。そこでmomoQカラムで部分精製したRNAポリメラーゼIIをオーキシン結合蛋白質-I(ABP-I)結合セファロースカラムにかけた。この結果、RNAポリメラーゼII活性は全てカラムに保持されて、0.3M硫安濃度で溶出された。 また、比較的安定でその精製方法が確立されている小麦胚芽からのRNAポリメラーゼIIの精製を、Burgessらの方法に準じて行なった。極く少量のコンタミは最終的にDNAアガロースクロマトグラフィーにより除き、電気泳動的に単一なRNAポリメラーゼIIを得た。この精製したRNAポリメラーゼIIをABP-I結合セファロース4Bカラムにかけたとこ、ほとんど全てのRNAポリメラーゼ活性はカラムに保持され、0.3M硫安濃度で溶出された。 以上の結果から、オーキシン結合蛋白質-IはRNAポリメラーゼIIとの親和性を有しており、結合して作用することにより、遺伝情報の発現を調節しているのではないかと推測している。
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[Publications] Kikuchi,Motoyuki: Plant Cell Physiol.30. (1989)
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[Publications] 酒井愼吾(分担): "ホルモンハンドブック" 日本比較内分泌学会編南江堂, (493-514) (1988)